出版社内容情報
古代帝国下で仏教を受け入れたチベットは、実践的修行と精緻な教理をともに発展させ、仏教に根ざした文化と社会を築いてきた。言葉を超えた直観的悟りを求める密教の体系、論理による真理の探究、他者を思いやる慈悲の教えは、今もなお私たちの心を惹きつける。その心髄を教義論争とチベット社会の諸相に探り、解き明かす。
【目次】
はじめに
第一章 チベット仏教のはじまり
1 仏教の導入
2 サムイェの宗論
第二章 チベット仏教教学の形成
1 仏教の再導入
2 学問体系の構築
第三章 チベットの密教
1 密教の受容
2 ニンマ派とカギュ派の密教
第四章 観音菩薩信仰と慈悲の実践
1 救済者を求めて
2 苦しみを引き受け、他者のために祈る
第五章 チベットの仏教僧院
1 仏教コミュニティの形成
2 僧院と僧侶の役割
第六章 僧院と社会
1 社会格差を映す僧院
2 僧院の経済
3 仏教と政治
4 仏教の周縁
第七章 チベット仏教における論争
1 論理か瞑想か
2 他空説と自空説
3 ツォンカパの中観思想をめぐって
第八章 新しい時代へ
1 超宗派(リメ)運動
2 一九五九年以降
あとがき
主要参考文献
略年表



