出版社内容情報
戦後日本を女性たちはどのように生きたのか。黒柳徹子、土井たか子、田辺聖子、吉永小百合など、男性優位の社会に多くの女性たちの声を媒介し、支配的な価値観に風穴をあけてきた一二人の女性たち。日々紡がれた〈文化としての民主主義〉の諸相を描き、男性中心の戦後史の語りを読みかえる。雑誌『世界』の連載に大幅加筆。
【目次】
はじめに
1 黒柳徹子 戦後理想主義の残照
黒柳の「戦後体験」
ひとりの「おばさん」の立場で考えること
『徹子の部屋』が聞き取った戦争体験
『窓ぎわのトットちゃん』の反戦
シャネルズ・タモリ・森繁久彌
2 土井たか子 憲法の子
「土井構想」の思想
神戸での戦争体験と大学進学
国会での存在感
「おたかさんブーム」を支えた女性たち
「山が動いた」
平等な関係性を目指して
3 大橋鎭子 ひと手間の思想
「とと(父)」のように生きてゆく
女性たちの会社
生活世界からの捉え直し
「ほんのちょっとしたこと」
「気づくこと」と「動くこと」
4 鴨居羊子 戦後の「全身表現者」
「下着革命」の旗手
大阪・金沢・京城
デザインのなかの自由
「いま・ここ」を愛しぬく
多面体の輝き
5 田辺聖子 恋愛と「戦中派」の思想
「陛下、置いてけぼりにしないで下さい」
大阪文化のなかから
昭和五〇年代の「翔んでる」女たち
戦中派の胸のうち
『おかあさん疲れたよ』
6 山崎豊子 恋と戦災
「大衆性」の由来
類型と両義性による作劇
女たちの事業
転機としての『花紋』
「戦後はまだ終わらず」
7 角野栄子 青空の底の黒
「たとえ小さな存在であっても」
サンパウロの「心臓(コラソン)」
想像のなかの八つの海
トンネルの脱走兵
『魔女の宅急便』の青空
8 ゴーマン美智子 「走り方」を変えた女
青島・会津・カルフォルニア
走ることに目覚める
戦後女性の移動と労働
「市民ランナー」という視点
岐路となった第一回東京国際女子マラソン
走ることの思想
9 吉田ルイ子 「Something we can do」
フォトジャーナリストとして
二つの転機
三つの後悔
「ふつうの人びと」を撮ること
サンディニスタ民族解放戦線
日本の家族と天皇制
10 平野レミ 歓待の思想
「料理愛好家」として
「歓待の思想」の源流
料理の時代としての昭和五〇年代
つくることは、自由になること
11 中山千夏 アマチュアのオリジナリティ
「天才子役」から参議院議員へ
「し尿生捨て政策」への反対運動と「ホーキ星」
ウーマン・リブの旗手として
政治家としての可能性と限界
オリジナリティと自立
12 吉永小百合 「戦後」のゆくえ
戦後民主主義の「象徴」?
イメージを決定づけた『キューポラのある街』



