岩波新書<br> EU―統治の論理と思想

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岩波新書
EU―統治の論理と思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004320890
  • NDC分類 333.7
  • Cコード C0231

出版社内容情報

イギリスの離脱、移民や難民の増大、極右勢力の台頭、多様化する性……。様々な問題に直面し岐路に立つEU。壮大な実験はどこへ向かうのか。激動する世界の中で、どんな意味をもつのか。超国家的統合の実態や意義を明解に説き好評を博した前著『欧州連合』を大幅に改訂。これからの国際社会を展望するための新たな基本書。


【目次】

 はじめに

第Ⅰ部 EUの実像――超国家的統治体の仕組み

 第1章 統治機構としてのEU
  1 何を行うのか――EUの機構と仕事
  2 EUと国家の共同統治
  3 EU統合における非対称性
 第2章 EUと国家の役割分担
  1 欧州統合プロジェクトの開始
  2 EUを担う人々
  3 モネ方式と欧州ポピュリズム
 第3章 EUはどこまで拡大するか
  1 拡大のプロセス
  2 コペンハーゲン基準と拡大疲れ
  3 拡大戦略の見直し
  4 EUに加盟しない選択
  5 イギリスのEU脱退

第Ⅱ部 EUを動かす論理――国家主権を超えて

 第4章 域内市場の論理
  1 経済統合が抱える矛盾――ロドリクの仮説
  2 欧州統合三角形モデル
  3 規制権限の所在と民主主義
 第5章 自由移動と各国文化
  1 EUと文化
  2 物の自由移動はどこまで認められるのか
  3 労働者の自由移動が問われるとき
  4 サービスの自由移動と人権
 第6章 EU市民権の論理
  1 経済アクターからEU市民へ
  2 EU市民権に基づく移動・居住の自由
  3 国境を越えて移動していないEU市民
  4 ジェンダー平等の原則――同性婚は保護されるか
 第7章 単一通貨の論理――ユーロの仕組み
  1 経済通貨同盟
  2 欧州中央銀行の独立性と正当性――金利を決めるのは誰か
  3 加盟国の経済・財政政策と安定・成長協定――財政赤字の「禁止」
  4 銀行同盟

第Ⅲ部 EUのトランスナショナル・ガバナンスにおける対外的側面

 第8章 トランスナショナル・パワーとしてのEU
  1 EUのトランスナショナル・ガバナンス
  2 カシス・ド・ディジョン判決とトランスナショナル・ガバナンス
  3 ブリュッセル効果という現象――トランスナショナル・パワー
  4 ブリュッセル効果の事例
 第9章 シェンゲン領域と難民問題
  1 シェンゲン領域とトランスナショナル・ガバナンス
  2 二〇一五年欧州難民危機――シェンゲン領域の機能不全
  3 「移民・庇護協約」――機能不全の解消に向けて
  4 難民問題の外部化
 第10章 アジア太平洋とEU
  1 地域現象としての欧州統合
  2 アジア太平洋の統合とEUベンチマーク
  3 トランス・タスマン相互承認取り決めとEU制度の内部化
  4 日EU規範形成パートナーシップ

  あとがき
  参考文献

内容説明

イギリスの離脱、移民や難民の増大、極右勢力の台頭、多様化する性…。様々な問題に直面し岐路に立つEU。壮大な実験はどこへ向かうのか。激動する世界の中で、どんな意味を持つのか。超国家的統合の実態や意義を明解に説き好評を博した前著『欧州連合』を大幅に改訂。これからの国際社会を展望するための新たな基本書。

目次

第1部 EUの実像―超国家的統治体の仕組み(統治機構としてのEU;EUと国家の役割分担;EUはどこまで拡大するか)
第2部 EUを動かす論理―国家主権を超えて(域内市場の論理;自由移動と各国文化;EU市民権の論理;単一通貨の論理―ユーロの仕組み)
第3部 EUのトランスナショナル・ガバナンスにおける対外的側面(トランスナショナル・パワーとしてのEU;シェンゲン領域と難民問題;アジア太平洋とEU)

著者等紹介

庄司克宏[ショウジカツヒロ]
1957年、和歌山県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。二松学舎大学国際政治経済学部助教授、ケンブリッジ大学客員研究員、欧州大学院大学(フィレンツェ)客員研究員、横浜国立大学大学院教授、ジャン・モネEU研究センター(慶應義塾大学)所長、慶應義塾大学法科大学院教授などを経て、慶應義塾大学名誉教授、中央大学総合政策学部教授、ジャン・モネ・チェア・アドペルソナム(Jean Monnet Chair ad personam)、日本EU学会理事(2006年11月~09年3月、理事長)。専攻―EU法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
庄司先生の見事な解説に圧倒される。私は今までEUのことを全く分かっていなかったと恥ずかしくなる。相反する概念を取り込んで神業的な仕組みを構築しているEU。スプラナショナル(超国家的)、トランスナショナル(国境横断的)、インターガバメンタル(政府間的)な統治の組合わせが、コミッション、理事会、欧州議会、EU司法裁判所による奇跡的な権限のバランスで成立している。凄い。通貨は統一しても言語は統一しないという文化的多様性を守る信念もまた見事。成熟した民主主義を背景に持つ欧州ならではの懐の深さと強かさに、舌を巻く。2026/03/29

skunk_c

55
自分が仕事に就いたときはECだったが、仕事の性質上ずっとこの組織に関する様々な本を読んできた。本書はタイトル通り極めて政治学的な本で、特に「スプラナショナル」と「トランスナショナル」がキーワード。世界経済のトリレンマ、つまり「国際経済統合」「国民国家」「大衆政治」の3つは同時に達成できないという仮説を利用したEU政策の整理も面白かった。また、EUに関わる問題に関する訴訟において各国裁判所がEU司法裁判所に先決判決を求める仕組みを、豊富な事例で示しながら、EUがどのように政策実現をしているかも分かった。2026/10/15

よっち

26
イギリスの離脱、極右勢力の台頭、移民や難民の増大、多様化する性…様々な問題に直面して岐路に立つEUを中心に、これからの国際社会を展望する1冊。EUの統治機構、域内市場、市民権、単一通貨、対外的なガバナンスを体系的に解説していて、ポイントとなる全会一致を避けた決定方法やEU裁判所や、ブリュッセル効果の説明、解難民問題の移民・庇護協約への対応、シェンゲン領域の機能不全と負担分担の試み、アジア太平洋地域との比較も興味深かったですね。EUは国家でも国際組織でもないグローバルな課題解決のモデルとして注視しています。2026/01/09

akiakki

9
EUを定義する法とその理念からEUのシステム設計の解説に読めた。EUは国家ではないが加盟国の主権の一部を譲渡された存在であり、まさに本書の帯の「壮大な実験」の通り。反面、加盟国が主権の大部分を維持したままでいるため、シェンゲン協定とダブリン規則のように規制緩和・拡大にはイケイケでも実務や責任の規定になると格段にトーンダウンするメカニズムも納得できた。改訂版なのでロシアのウクライナ侵攻、第2次トランプ政権との関係など最新の状況にも触れられている。2026/09/25

とり

9
EUの仕組みや思想を解説している。特に具体的な事例を挙げた説明がわかりやすい。2026/03/21

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