出版社内容情報
経済学は複雑な現実をより総合的に捉え、より広い社会的公正を促進する方向に進化できるか。宇沢弘文を継ぐゲーム理論と情報の経済学の大家が、利己的動機や評判の形成といったアプローチのドグマをあばき、サステナビリティの視点から「新しい資本主義」と「新しい社会主義」というシステム構想を披露する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
42
ノーベル経済学賞を受けた人たちも多数出る本。サステナビリティは、貧困、格差、社会的不平等を深刻な社会問題ととらえて、公平な社会を追求し、誰もが機会と福祉にアクセスできることを目指す(9頁~)。過度の経済成長の結果、環境問題が深刻化し、世界市民の経済的生活水準の問題を超えて生命や尊厳をもおびやかし、未来世代に不可逆な損失を与えてしまうことをいかに回避して、文化的に豊かな生活を持続させることができるか(10頁~)。フィデュ―シャリー・デューティー:業務受託者は、業務履行を超えて、受益者利益に忠実を要求する法2024/12/21
Ex libris 毒餃子
16
「経済哲学」という表現を使っているので、理論分析はあまり行わず、経済現象に対してどのような「思想背景」を持って分析すべきかをメインにしている。本書は「サステナビリティ(持続可能性)」という経済現象をいかに達成するかをさまざまな経済理論を基に論じている。数式はあまり出てこないけれども大学で経済学をきちんと勉強していないと難しいと思いました。2024/12/30
武井 康則
10
富の集積は得意でも配分はどうか。今までの経済学が、学問として信用できなくなっている。社会、環境、格差など、ただ利益をあげるのではなく、環境に負担なく、環境に還元できる、そして社会が活性化する方法がないのだろうか。前半で問題点とその解決の一例等をなど挙げ、後半で新しい資本主義と新しい社会主義を提案する。丁寧で分かりやすい文章だが、経済が大好きで取り上げている問題に興味ある人じゃないと、なかなかページが進まないだろう。重要な問題提議とその解決なのだが。2024/09/03
sk
5
重厚で緻密。新しい経済哲学。2024/10/02
oooともろー
4
従来の経済学の根本的変革。サステナビリティという大義。新しい資本主義と新しい社会主義。これからのあり方。大企業の果たすべき役割は大きい。2025/04/21
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- 和書
- ねんねんねん