出版社内容情報
自民党議員による政治資金パーティー裏金問題は、安倍派をはじめとした派閥が解体された今も、決着を迎えてはいない。政治責任が問われることのないまま、うやむやになってしまうのか。――告発の火付け役である著者が、裏金問題の本質を抉り出し、ウソを見抜く技を提供する。真の政治改革に向けた問題提起の書!
内容説明
政治資金パーティー事件や裏金問題は、その温床となった派閥が解体された今も、決着を迎えてはいない。これまでと同様に、抜け穴だらけの「改革」でごまかされ、政治責任が問われることのないまま、うやむやになってしまうのか―長年この問題を告発し続けてきた著者が、問題の本質を抉り出し、ウソを見抜く技を提供する。
目次
第1章 政治家の収入源はどうなっているのか
第2章 カネはどう規制されているのか
第3章 抜け道だらけの政治資金規正法―裏金はこうしてつくられる
第4章 金権政治を加速させてしまった90年代政治改革
第5章 市民の手で「政治とカネ」を究明する―私が告発を続けるわけ
終章 真に求められる政治改革とは
著者等紹介
上脇博之[カミワキヒロシ]
1958年、鹿児島県生まれ。関西大学法学部卒業、神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得。専攻、憲法学。現在、神戸学院大学法学部教授。市民団体「政治資金オンブズマン」代表、公益財団法人「政治資金センター」理事も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
61
選挙が終わったが、政治資金規正法はまた改正するという報道もあった。政党から政治家個人への「寄付」は裏金の合法化。個人では政治活動のための財布を持たない、という前提がある(52頁~)。当法律が収支について収支報告書への記載を求める対象は、あくまで政治団体。個人の収支は、収支報告が制度化されていないので、収支報告書そのものがないという(54頁)。今度の改正では、ブラックボックスをやめ、市民がチェックできるしくみを条文化してほしいものである。2024/11/02
skunk_c
56
告発を実践している同世代の憲法学者による、裏金問題の概説書。特に政治献金などの資金のしくみについて分かりやすく、参考になった。また、著者の熱量が高く、ちょっと読み疲れる部分も。「知る権利」を憲法が保障すると書くが、21条「表現の自由」から導かれた権利であり、憲法条文自体にはないことは、ご自身が憲法学者なのだから解説されても良かったのではないか。ちょっと誤解を招きそう。それにしても立法府たる国会の議員が高潔でない社会は、こうした問題を解決することは困難なのかと思う。そういう意味で著者の告発は重要と思った。2025/05/28
けんとまん1007
56
政治とカネとなると、利権の2文字が浮かぶ。利権・・誰にとっての利益・権力なのかということ。この国の現状は、どうなのだろう。国・県・市町村レベルで、違いもあるように思う。ただ、曖昧な部分・隠された部分が多いこと、抜け道だらけであることは、それ自体が物語っていることがある。2024/10/03
みこ
31
記憶にある限りこの国で政治とカネが問題なならなかった期間が10年以上存在していないような気がする。その理由は問題発覚⇒抜け道ありの新しいルールを作るの繰り返しだから。一般企業なんて百均でボールペン1本買うのにも領収書が必要なのに〇万以下は報告しなくてOKみたいな非常識が常識として通っていることに改めて愕然とさせられる。収支報告記載漏れ罪みたいなものを作ったらどうなんだろう。2024/09/04
どら猫さとっち
12
昨年末頃から、主に自民党議員の裏金問題が発覚。それを告発したのは、神戸学院大教授の法学者だった。あれから、今最も注目され多忙となった著者が、裏金についての問題点と改善点をわかりやすく解説した入門書。裏金問題を摘発されたにもかかわらず、未だにのうのうと勤める自民党議員たち。怒りを抱えながら、本書を読めば、まだ諦めるわけにはいかないという希望が湧き上がる。全国民必読書が、ここに登場した。2024/08/04
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