岩波新書<br> シンデレラはどこへ行ったのか―少女小説と『ジェイン・エア』

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シンデレラはどこへ行ったのか―少女小説と『ジェイン・エア』

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004319894
  • NDC分類 930.26
  • Cコード C0297

出版社内容情報

『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、広まっていったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う。

内容説明

『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、広がっていったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う。

目次

序 『ジェイン・エア』から少女小説へ―「シンデレラ・コンプレックス」と「ジェイン・エア・シンドローム」
第1章 脱シンデレラ物語の原型―シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』(女性像の変転―『ジェイン・エア』以前の文学を見る;不遇な幼少時代を送るヒロインの登場;学校生活とキャリア;男性パートナーと対等な関係)
第2章 アメリカへ渡った「ジェイン・エア」の娘たち―『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』(『ジェイン・エア』の物語とアメリカの女性作家たち;女らしさへの問い―ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語』;逆境を乗り越える―ジーン・ストラットン・ポーター『リンパロストの乙女』;自立への道―ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』)
第3章 カナダで誕生した不滅の少女小説―ルーシー・モード・モンゴメリ『赤毛のアン』(自分らしさと強さの肯定―『ジェイン・エア』からの飛躍;自力で居場所を獲得する物語;脳力でキャリアを開く;敵対から友愛へ)
第4章 イギリスでの変転とその後の「ジェイン・エア」―ルーマー・ゴッデン『木曜日の子どもたち』(「シンデレラ」のゆくえ―『ジェイン・エア』からの変容;母としての「ジェイン・エア」;シンデレラ少年の物語;「意地悪な姉」の再生の物語)
終章 変わりゆく物語―「ジェイン・エア・シンドローム」のゆくえ(変貌する「シンデレラ物語」―ディズニー映画と現代;変わる読者の意識と時代―新しい物語への展望)

著者等紹介

廣野由美子[ヒロノユミコ]
1958年生まれ。京都大学文学部(独文学専攻)卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士課程(英文学専攻)単位取得退学。学術博士。山口大学教育学部助教授、京都大学総合人間学部助教授を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。英文学、イギリス小説を専攻。1996年、第4回福原賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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はる

65
「シンデレラ」では男性に依存的だった女性像。だが「ジェイン・エア」が出版されると、脱シンデレラともいえる強い女性像は世間に衝撃を与える。筆者はこの「ジェイン・エア」がその後に描かれた「小公女」「赤毛のアン」「秘密の花園」「あしながおじさん」「若草物語」などの少女小説に多大な影響を与えたとしています。指摘される類似点については納得しかねる部分もあったけれど興味深い内容。それぞれのあらすじを辿りながらの解説なのですが、どれもあらすじだけで凄く面白いんですよね。それが楽しかったです。2023/11/23

ころこ

45
フェミニズムは外からの改革を主張するのに対して、重要なのは女性が最終的に内側から自らを変えていくことだ。男女平等が唱えられたとしても、女性自身の中に自立を阻む内的原因があるのではないかと著者は問題を投げ掛ける。王子が現れてヒロインの幸せな結婚で終わるというシンデレラ型に対して、『ジェイン・エア』では①不遇な幼少期②不美人な容貌③逆境から自力で居場所を獲得する④男性パートナーとの対等な関係という別の生き方の型がみえてくる。この『ジェイン・エア』の物語は当初イギリスではなく、アメリカで受容された。『若草物語』2023/11/12

アリス

25
改めて再読してみた。今まで読んできた本や見てきた映画(特にディズニー作品)がイギリスの有名な物語である、『ジェイン・エア』とつながっているということを鋭く考察した本である。特に感銘を受けたのは、『赤毛のアン』の考察のところだ。その作者がブロンテ姉妹、特に、シャーロットの生涯に感銘を受けたことが大きな発想となり、有名な児童文学作品である『赤毛のアン』が生まれたという考察だ。主人公の名前である、アン・シャーリーやその仲間であるギルバートはアン・ブロンテの『ワイルドフェル・ホールの住人』の登場人物である→2024/07/22

ラウリスタ~

18
シンデレラのような王子様に選ばれることだけを受け身で待ち続けるような旧弊なヒロイン像は、昔のディズニー映画には多かったが近年は批判され、より主体的な女性に変わりつつある。シンデレラに変わる主体的に未来を切り開く女性像の原型としてシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』に注目する。イギリスではあまり評価されず、むしろアメリカでその影響が開花する(赤毛のアン)。美人でも、従順でもない女性が、不正義に憤り、自由を獲得していく。最終のディズニー分析などは特に興味深く読む人が多いと思う。英米の違いが面白い。2023/12/14

みかん

17
「シンデレラストーリーを脱却した女性たちが、人間としての力を強化するためにまず手にした武器は、言葉の力だった」 しびれた…過酷な幼少期でも自分の道を見いだし、言葉の力をもって切り拓いていく登場人物たちに憧れた子ども時代を思い出しました。 「物語には、幼い頃から持続的に人の一生に作用する豊かな、そして大きな力が秘められているのである。」 子どもの頃読んだ本と大人になってから再会した時の感動は唯一無二。何にも変え難いこの経験を1人でも多くの子どもたちにしてほしい!2024/03/21

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