出版社内容情報
二人に一人はがんになると言われているいま、様々な治療法が研究されている。そのなかで外科手術は、がん治療の根幹である。外科医として、肝がん、そして難治性の膵がんの治療・手術の最前線にいる著者が、肝胆膵のがんの外科的治療の開発研究の軌跡と最新状況、さらに外科医の日常、師からの指導、患者からの学びなどを綴る。
内容説明
二人に一人はがんになると言われているいま、外科手術は、がん治療の中心的な存在である。がんの中でも難治とされる肝がんや膵がんの外科治療の最前線にいる著者が、外科手術の実際、肝胆膵がん治療の開発研究の軌跡と最新の状況、さらと師と仰ぐ外科医からの指導、患者から学んだことなどを、日々の想いとともに綴る。
目次
1 外科医の日々
2 肝臓、胆道、膵臓
3 肝胆膵外科医への軌跡
4 肝胆膵がんへの挑戦
5 術後合併症を減らすために
6 患者からの学び
7 未来への課題
著者等紹介
阪本良弘[サカモトヨシヒロ]
1967年生まれ。92年東京大学医学部卒業。東京大学医学部第二外科、国保旭中央病院などを経て、2001年癌研究会附属病院消化器外科、03年国立がんセンター中央病院肝胆膵外科、10年同医長。11年東京大学医学部肝胆膵外科、人工臓器・移植外科講師、15年同准教授。18年から杏林大学医学部消化器・一般外科教授、19年同付属病院肝胆膵外科診療科長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
103
著者は肝臓・膵臓の手術を主に活躍する外科医。前半は肝臓・膵臓・胆道の機能と手術、術後の化学療法について書かれていたが医学の知識がないものにとって難しい内容だった。しかしテレビドラマに出てくるような派手な外科医というのはいないということ。あくまで地道で辛抱強いのが実態のようだ。後半は患者からの学びという章があり膵臓がんになった患者との出会い、手術そして2年後に再発し亡くなるまでが書かれていた。ここを読むだけでも勝ちがあると感じた。がんは本人が一番辛いと思う。この本でガンについて理解が深められるといいと思う。2022/01/21
崩紫サロメ
16
肝胆膵外科医として大学病院で働く著者が、外科医の実際の仕事を綴ったもの。研修医時代の恩師から学んだことなど、門外漢が読んでも興味深い。本書には直筆の絵が多く挿入されているが、取捨選択やデフォルメをしながら手術図を描くことが重要であるという持論に基づくものである。これらの作業はドイツ、フランス、韓国、中国などでも毎回は行われていないらしい。写真は撮って置くが、それとは別に脳によるデフォルメが正確な理解につながるという主張、外科医でなくてもそういうことはあるかもしれない、など。2021/01/13
Akiro OUED
2
手術の場面を思い出しながら、手書きのスケッチを起こす。映像を手軽に撮れる時代でも、術式の本質を鉛筆描きのポンチ絵で表す、というのが興味深い。手書きの読書感想文にも意義があるんだろうね。著者自作のポンチ絵で、肝臓がんの術式の再現を冒頭においた本書の構成に、編集者の冴えを感じた。2021/11/29
伊達者
2
胆膵肝外科医の書いた本。他人ごとではない。手術や治療方針について最新の動向が記載されている。標準治療についても良く分る。義父の死から3年余り,治療方針も変化しているし,抗がん剤にも新しい動きがある。一流の医師らしい冷静で歯切れの良い文章。2020/12/01
Go Extreme
2
肝臓がん手術の一日 手術を描き記録する:脳が蘇らせる手術の風景/ゴールデンタイムのデフォルメ/手術イメージ再現の効用 他院での手術:手術の依頼/大切な我慢/患者さんの無事 肝胆膵外科の師との出会い:レジェンドのオーラ/師と弟子たち/フェアーな師 患者からの学び 学ぶ患者ともに闘う患者/術後生活/患者力を感じる/主治医として考える リスクヘの対峙と教育:手術のリスク/術前診断と手術の適応/ビッグデータを用いた解析/リスクの高い手術を引き受ける 外科医の働き方:外科医の減少/外科医の慟き方改革 外科技術の伝承2020/12/12