出版社内容情報
かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた。大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し、人格を磨かなければならない」と考えていた。そんな価値観が、なぜ広く共有されえたのか。いつ、なぜ消失したのか。地域差やメディアも視野に入れ、複雑な力学を解明する。
内容説明
かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた。大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し、人格を磨かなければならない」と考えていた。そんな価値観が、なぜ広く共有されえたのか。いつ、なぜ消失したのか。地域差やメディアも視野に入れ、複雑な力学を解明する。
目次
プロローグ 「格差と教養」の時代
第1章 敗戦と農村の教養共同体―青年団と読書の希求(敗戦と青年団;農村教養文化の困難;農村社会の閉塞と人口流出)
第2章 上京と「知的なもの」への憧憬―集団就職と定時制(上京への憧れと幻滅;「進学の代替」としての大企業;定時制が生み出す「冷却」)
第3章 人生雑誌の成立と変容―転覆戦略のメディア(大衆教養メディアと転覆戦略;教養雑誌の衰退と見えなくなる格差;断片化する教養)
エピローグ 格差と教養の乖離
著者等紹介
福間良明[フクマヨシアキ]
1969年、熊本市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。出版社勤務、香川大学准教授を経て、立命館大学産業社会学部教授。専攻は歴史社会学・メディア史。著書に『「反戦」のメディア史―戦後日本における世論と輿論の拮抗』(世界思想社、2006年、内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞)、『「働く青年」と教養の戦後史―「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩選書、2017年、サントリー学芸賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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