岩波新書
ユーロ危機とギリシャ反乱

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  • サイズ 新書判/ページ数 248,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004315865
  • NDC分類 338.97
  • Cコード C0233

内容説明

ギリシャを震源とするユーロ危機。二〇一〇年から金融パニックや危機が続発し、一時「ユーロ崩壊」論まで噴出した。危機の本当の原因は何か。なぜギリシャは国民投票を行ったのか。好景気で“独り勝ち”のドイツは何を考えているのか。そして今、ユーロはどこへ向かうのか―。ユーロ研究の第一人者が徹底的に解説する。

目次

序章 ユーロ危機の見取り図
1章 ユーロ危機の展開と危機の「本質」
2章 ユーロ制度の欠陥と「ユーロ崩壊」論
3章 帝国型ユーロ制度への発展―「ユーロ2・0」へ
4章 ポスト・ユーロ危機の断層線
5章 ユーロ危機とギリシャ―財政緊縮政策から反乱へ
終章 ユーロのゆくえ

著者等紹介

田中素香[タナカソコウ]
1945年福岡県生まれ。1971年九州大学大学院経済学研究科修士課程修了。東北大学大学院経済学研究科教授、中央大学経済学部教授を経て、中央大学経済研究所客員研究員、東北大学名誉教授。経済学博士。専攻はヨーロッパ経済論、経済統合論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

48
EU離脱の英国問題が、株価暴落と円高として反映された。危機といえば、レギュラシオン理論も想起される。EU、ユーロ圏、IMFがグループとなって支援を行うので、トロイカ(三頭立ての馬車)と呼ばれたが、ECBの関与は小さく、事実上IMFと欧州委員会の合議で決定(21頁~)。スペインはギリシャと並びユーロ危機の第三波の主役(35頁)。ドイツ人はユーロ危機ではなく欧州債務危機と強調(43頁)。銀行危機、政府債務危機、ユーロ制度欠陥、経済発展格差をして、ユーロ危機の四角形という(44頁図Ⅰ-3)。2016/07/24

佐島楓

43
マクロ経済が理解できていると、書いてあることにも理解が深まるのだろう。頑張って勉強しよう。2016/05/11

coolflat

19
ユーロ危機はギリシャなど南欧諸国の財政赤字・政府財務膨張が危機の原因だと言われている。確かに危機の原因の一端ではあるが、危機の「本質」ではない。本質とは何か。コア=フェリペリ(中心=周辺)問題だと著者は言う。コア=フェリペリ問題とは中心(ドイツ)は豊かになるが、周辺(ギリシャなど南欧諸国)は取り残されて、失業率格差や所得格差に悩まされるという経済格差問題の事だ。一国内であれば地方交付税など税の再分配により所得格差を是正できるが、ユーロ域内では再分配制度が存在しないため、中心(ドイツ)に富が集中してしまう。2016/10/01

skunk_c

14
2010年以降のユーロ危機についてわかりやすく解説。繰り返し危機が来たのはユーロの中核国ドイツがギリシャに対する民間再建の部分放棄などの救済策を拒んだこととか。現在ユーロ圏で「ひとり勝ち」のドイツにあるインフレ恐怖症と債権者の論理がそうしたそうだが、これがかえって危機を広げたとも。その一方でユーロ解体は明白に否定している。「帝国化」したEUの中心(北部)と周縁(南部・東部)の格差について、帝国化している以上中心が周縁の危機を救うべきとするが、ドイツはそれができない故覇権国とは言えないとか。面白い視点。2016/03/13

Francis

11
2010年から続く通貨ユーロの危機とギリシャ危機について詳述。ユーロ危機はなぜ起こったのか、どのようにして沈静化したのか、そしてユーロはどのように強化されたか、について論ずる。著者のケインズ学会での講演を聞いたことがあるが、ほぼこの本の内容に沿ったものだった。何度も危機を迎えてもなお欧州市民に強く支持されている統一通貨ユーロが著者の願い通りに強化されることによってEUがさらに強化され、ヨーロッパそして世界の平和と発展のために貢献できることを強く願う。2016/01/29

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