内容説明
二〇一四年秋、大都市中心部を市民が七九日間も占拠した香港の雨傘運動。一五五年の英国の植民地支配後、「高度の自治」を付与され中国に返還された「ノンポリ国際都市」が政治に目覚めたのか。アジア経済危機以降に強まる「中国化」への猛反発は、何を意味するのか。日本・香港の気鋭が歴史背景と現代文化から緻密に解読。
目次
第1章 「一国二制度」下の香港(「一国二制度」とは何か;準国家としての香港;地方としての香港)
第2章 イギリスの遺産―植民地構造と自由(植民地型統治;独裁の下の自由;自由の限界;未完の民主化)
第3章 「中国化」と香港の自由―返還後の香港(静かな返還;「中港融合」と中国化;民主化の「中国化」;「中国化」の限界と自由社会)
第4章 植民地香港における自由の条件―文化と社会(香港を語る人々;彷徨う魂と江湖豪傑;香港アイデンティティの生成)
第5章 雨傘運動―立ち上がった観客たち(壁・巨人・卵;生活空間と政治空間の連結;金鐘占領区が見せた未来図;旺角:自由と民主のための「闘い」;覚醒した観客たち)
著者等紹介
倉田徹[クラタトオル]
1975年生まれ。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。2003~06年に在香港日本国総領事館専門調査員。金沢大学人間社会学域国際学類准教授を経て、立教大学法学部政治学科准教授。専門は現代中国・香港政治。著書『中国返還後の香港―「小さな冷戦」と一国二制度の展開』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞受賞)
張〓〓[チョウイクマン]
1977年生まれ。香港中文大学社会学研究科卒、博士(社会学)。現在、同大学社会学科講師。専門は歴史・文化社会学、ナショナリズム論、日本研究(鉄道史、サブカルチャー論、近代日本ナショナリズム)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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