出版社内容情報
停滞と閉塞の時代に注目されるコミュニティデザインという発想.地域の力は,人がヒト・モノ・コトの中に参加し物語りを紡ごうとする意志から始まる――まち再生・まち育ての助っ人として全国を駆け回る筆者が,行政や住民のトラブルをドラマに変える様々な現場で捕まえた,思想と手法のキーワード集.
内容説明
停滞と閉塞の時代に注目されるコミュニティデザインという発想。地域の力は、人々がヒト・モノ・コトの渦に参加し物語りを紡ごうとする意志から始まる。まち育ての助っ人として全国を駆け回る筆者が、住民・行政・専門家・支援者のトラブルをドラマに変える現場で捕まえた、まち再生の思想と手法のキーワード集。
目次
1 楽しさと遊び(想像力;絵本 ほか)
2 つぶやきをかたちに(私発協働;つぶやく ほか)
3 知恵の育み合い(ワークショップ;ファシリテーター ほか)
4 トラブルをドラマに(聴く耳をもつ;レフレクティブ ほか)
著者等紹介
延藤安弘[エンドウヤスヒロ]
1940年大阪に生まれる。北海道大学工学部建築工学科卒業。京都大学大学院博士課程中途退学。生活空間計画学専攻、工学博士。京都大学助手、熊本大学教授、千葉大学教授、愛知産業大学教授、国立台湾大学客員教授等を経て、現在NPO法人まちの縁側育くみ隊代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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うりぼう
31
まちの縁側づくりの達人、延藤先生の「術語の星座」を眺める。「歓喜咲楽」「私発協働」「対話共有」「軋変可笑」の4象限に配置された見事な44のキーワードは、お互いに共鳴しあい波紋のように広がる。文体は、延藤先生の真骨頂である「幻燈会」さながらにダイナミックに流れ、活動の実例は、まさにまちづくりの模範。最初の「無関心」から受動的に「巻き込まれ」、自覚して「参加」し、トラブルを乗り越え「責任ある参加」へと動く。さらに、この4つを状況に応じて自在に行き来するのが、主体的市民。その緩やかな絆を作ることが今、求められる2013/04/12
壱萬参仟縁
9
面白いのは、左下の欄外にイラストが描かれていること。まち再生の術語の星座の手作り感のある星座は面白い(冒頭ⅻ―ⅹⅲ頁)。横軸左は気持、右は主体、縦軸上は時間、下は状況。このような独創的な図式は初めて拝見した。44個のテーマが展開される。本来の表現力や善行の力を引き出す修復的正義があり、これをまちで修復的実践を図る(11頁)。本文の注らしい数字は、44の用語をも参照する意味がある。関連づけが上手だ。私発協働(40頁~)。この言葉は初めて聞いた。まちづくりには、生活知、暗黙知、実戦知など複合的に必要となる。2013/11/15
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
4
【ココロの琴線に触れたコトバ】絵本は想像力というコミュニティビタミンの源泉です。2014/11/22
YYLR
2
「トラブルをエネルギーに変える」という言葉が印象に残った。住民の生活知とそれを取り込んだ行政の制度知への実現により、より良い環境が創出出来ればさらにステップアップのきっかけが生まれるのかも知れない、と感じた。2013/12/07
ぼのまり
2
コミュニティデザインのキーワードがさながら星座のようにちりばめられた1冊。「歓喜咲楽」「私発協働」「対話共有」「軋変可笑」、さまざまなキーワードが有機的、流動的に結びつき合ってコミュニティを形成する複数の解がこの中にあるように思う。2013/05/18