出版社内容情報
恐怖でがんじがらめの自由、負の連鎖に絡めとられる公正、他人の心身までも規定してゆく多様性、空洞化してゆく民主主義・・・・・。アメリカ社会の足元で、今さまざまな皮肉な「転倒状況」が起きている。その実像と向かう先は?
内容説明
恐怖でがんじがらめの自由、負の連鎖にからめとられる公正、他人の心身までも規定してゆく多様性、空洞化してゆく民主主義…。建国の理念を生き抜こうとするアメリカ社会の足下で、さまざまな皮肉な“転倒状況”が起きている。この希有な社会で丹念にフィールドワークを重ねてきた著者が、その実像と向かう先を余すところなく検分する。
目次
第1章 アメリカン・デモクラシーの光と影(「回帰」という「変革」;もう一つの「回帰」;オバマイズム;ニューオリンズ再訪;逆説的な現実)
第2章 政治不信の根源(イラク開戦決議の日に;法人化される民主主義;溶解する二大政党;ゲーム化する選挙戦;包摂されるジャーナリズム)
第3章 セキュリティへのパラノイア(ゲーテッド・コミュニティ;メガチャーチ;第三世界化するアメリカ;カラーラインの政治学;恐怖の文化;オーディット文化;孤独な個人主義)
第4章 多様性の行き着く先(多様性の源泉;保守反動;左右の原理主義とその陥穽;多様性と市場主義)
第5章 アメリカニズム再考(強烈な自意識;帝国論;アメリカの省察;アメリカへの眼差し;もう一つの逆説)
著者等紹介
渡辺靖[ワタナベヤスシ]
1967年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。オックスフォード大学シニア・アソシエート、ケンブリッジ大学フェローなどを経て、慶應義塾大学SFC教授。アメリカ学会常務理事。専門はアメリカ研究、文化政策論。日本学士院学術奨励賞受賞。単著―『アフター・アメリカ』(慶応義塾大学出版会、サントリー学芸賞、アメリカ学会清水博賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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