出版社内容情報
希望は与えられるものではない、自分たちで見つけるものだ! でも、どうやって? たくさんの声に耳を澄ませて、希望をつくるヒントをさがし出す。「希望学」の成果を活かし、すべての人たちに放つ、しなやかなメッセージ。
内容説明
希望は与えられるものではない、自分たちの手で見つけるものだ。でも、どうやって?著者が出会った、さまざまな声のなかに、国の、地域の、会社の、そして個人の閉塞した現状をのり越えて、希望をつくり出すヒントをさがしていく。「希望学」の成果を活かし、未来へと生きるすべての人たちに放つ、しなやかなメッセージ。
目次
第1章 希望とは何か(正直に話す;少しだけ笑う ほか)
第2章 希望はなぜ失われたのか(データからみる;大切な注意 ほか)
第3章 希望という物語(第三の論点;子どもの頃 ほか)
第4章 希望を取り戻せ(希望は妖怪のよう?;勉強する意味 ほか)
おわりに―希望をつくる八つのヒント
著者等紹介
玄田有史[ゲンダユウジ]
1964年島根県生まれ。1992年東京大学大学院経済学研究科博士課程退学。学習院大学経済学部教授などを経て、東京大学社会科学研究所教授。専攻は労働経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
75
玄田先生は労働経済学が専門ですが、最近はこのような希望学について本を書かれているのですね。ほかの新書でも出されています。最近の若い人が希望を失っているのではないかということから書かれたのでしょうが、やはり専門の経済的な分析も取り入れて希望が失われた原因をさぐっています。最後の希望を取り戻すヒントなど参考になります。2015/08/19
けんとまん1007
46
慌てず、じっくりと読む1冊。希望、夢。その違い。今の自分は。。。と夢もあるし、希望もあるように思う。何故?慌てないこと、あきらめないことなのかも。そして、重要なキーワード「ウィークタイズ(ゆるやかなつながり)」を、いくつも持っているからではと思った。中で取り上げられている鷲田清一先生の本も読んでみたい。2019/09/02
KAKAPO
46
継続を求める幸福に対し、希望は変化と密接な関係がある。希望は、苦しい現実の中であえて持とうとするもの。過酷な現状から良い方向に改善したい。苦しみから少しでも楽になりたい。そんな思いが希望という言葉には宿っている。希望を考えるということは、自分自身のこれまでの体験にもう一度向き合わないではいられない。よくわからない社会を毎日生きる上で、最も大切な事は、わからないということで、簡単にあきらめない、逃げださないこと。わからないから不安だとか、つまらないと思わない。むしろ、わからないから面白いと思えるかどうか。2018/06/13
万葉語り
28
ウィークタイズという言葉を知って思っていたことがすごく腑に落ちた。人生無駄なことは何もないとか、わからないことを簡単にあきらめないとか、過去の挫折を自分の言葉でしゃべれる人ほど、未来の希望を語ることができるとか、いろいろ勇気づけられた。2015/02/05
おおにし
17
(読書会課題本)10年ぶりに再読。読了後の印象が全く異なった。今回目を引いたのは、希望に対する”政府の対応”について。政府は希望を容易に語るべきではないが、これから起きるかもしれない絶望を避けるために最大限の努力をすべしとある。絶望は理不尽な死につながるものだとして、著者があげる具体例の中に「感染病」が含まれていた。単なる商業イベントであるオリンピックを強行開催しようとしている政府は日本国民から希望を奪い絶望を押し付けているとしか見えない。著者は今の状況をどうみているのだろうか。2021/06/22