岩波新書
文学フシギ帖―日本の文学百年を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312611
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0291

出版社内容情報

鴎外、牧水、百閒から三島・寺山・春樹まで、いずれ劣らぬ腕利きぞろい。さまざまな「フシギ」を秘めた作品に、当代随一の読み巧者が挑む。読めば世界を見る眼がかわる、文学の魅力満載! 老若男女におすすめの文学フシギ入門。

内容説明

鴎外・牧水・百〓(けん)から三島・寺山・春樹まで、いずれ劣らぬ腕利きぞろい。さまざまな「フシギ」を秘めた作品に、当代随一の読み巧者が挑む。少し違った角度からあの名作を眺めてみると、思いもかけない新たな魅力が見えてくる。読めば世界を見る眼がかわる、文学の魅力満載!読者力を鍛える、老若男女におすすめの文学フシギ入門。

目次

鴎外と高利貸
漱石と狸
露伴と水
啄木の臨終
稲舟の涙
子規と「明治の女」
五人旅、西遊記
杢太郎のエロス
牧水と言霊
白秋と『落葉松』〔ほか〕

著者等紹介

池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

85
ドイツ文学者の池内紀さんが鴎外から始まって村上春樹さんまでの近代以降の文学史を俯瞰したものです。文学者とその文学に関連のあることについてエッセイのような感じで自由に描かれていて読んでいて楽しくなります。例えば「鴎外と高利貸」、「漱石と猫」、「龍之介と鼻」、「須賀敦子と異文化」、「村上春樹の自由」などです。2015/09/03

冬見

15
森鴎外から村上春樹まで。53人の作家を語る。「高村光太郎の贖罪」「岡本かの子と歌」「井伏鱒二の『唐詩選』」「江戸川乱歩の犯罪」「寺山修司のパロディー」「村上春樹の自由」が特に面白かった。1人あたり2〜3ページほどでさくさく進むが、目新しい情報が多く楽しんで読んだ。よく見る作家の逸話を集めた本ではなく、各々の作品を取り上げそれにまつわるエピソードを紹介した本。寺山修司のエピソードが天才的に洒落ていて痺れた。違う時代を生きた2人の天才の香りが絶妙に溶け合っている。2018/06/09

壱萬弐仟縁

14
宮沢賢治初期の童話が紹介されるも、ユーモアには毒が潜むと(54頁)。諷刺性の強い笑い。僕は嫌いじゃないけど。太宰治と『家庭の幸福』は1948年8月、『中央公論』に発表されたという(115頁)。ラジオ。家庭の幸福。家庭の平和。人生の最高の栄冠(116頁)。なかなか、現代では単身世帯激増、非正規漸増傾向だから、そうした小さな幸せの類は稀有になっている。簡単に読めそうだが、実は、作家とそのエピソードがいろいろあるので、引っかかるところもある。2013/08/09

ひよピパパ

10
日本近代文学を渉猟し、そのフシギを解き明かした書。森鴎外から村上春樹まで、多くの小説家とその作品をとりあげ、各編わずか3ページほどにまとめられているのだが、語られるところは広く深い。与謝野晶子が無痛分娩を実践し、12人の子の母であったこと、岡本かの子に芥川をモデルにした作品「鶴は病みき」があること、井伏鱒二の唐詩の和訳にはタネ本があったこと……。いろいろな事実を本書から学ぶことができた。中でも「中島敦の「和歌でない歌」」がオススメ。中島敦のつくった和歌が紹介されるほか、作品の主題の秘密が解き明かされる。2017/11/06

かみしの

9
ブックガイドとか私の読書遍歴とか、そういった類の本が大好きで、そういう本を本屋で適当に探していた時に見つけた本。池内紀さんは『ファウスト』やカフカの翻訳家としか知らなかったので、日本文学に関する知識の深さにびっくりした。一編一編は短くてちょちょいのちょいという感じだけど、その分読みやすくてよかった。文学エッセイという感じ。2015/07/05

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