岩波新書<br> ぼんやりの時間

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岩波新書
ぼんやりの時間

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312383
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

常に時間に追われ、効率を追い求める生き方が人の心を崩壊しつつある今、ぼんやりと過ごす時間の価値が見直されてよいのではないか。頭をカラっぽにし、心を解放させることの意味とその条件をつづる思索的エッセイ。

内容説明

常に時間に追われ、効率を追い求める生き方が、現代人の心を破壊しつつある。今こそ、ぼんやりと過ごす時間の価値が見直されてよいのではないか。では、そうした時間を充実させるために何が必要であり、そこにどんな豊かさが生まれるか。さまざまな書物にヒントを求め、自らの体験もまじえながらつづる思索的エッセイ。

目次

1 「ぼんやり」礼賛―常識に逆らった人びと(「ぼんやり」という貴い時間;「いそがなくてもいいんだよ」;散歩の醍醐味;放浪―マムシと眠る;夢想にふけって;ぼぉっとして生きる;自然にとけこむ;気分を変えるために)
2 ぼんやりと過ごすために―その時間と空間(「むだな時間」はむだか;心安らぐ居場所で;静寂のなかでこそ;温泉の効能)
3 「ぼんやり」と響き合う一文字(「闇」―蛍と星とダークマター;「独」―独りでいること;「閑」―逆茂木に囲まれて;「怠」―「一日四時間労働」の夢;「〓」―心の余白)

著者等紹介

辰濃和男[タツノカズオ]
1930年東京に生まれる。1953年東京商科大学(一橋大学)卒業、朝日新聞社入社。ニューヨーク特派員、社会部次長、編集委員、論説委員、編集局顧問を歴任。この間、1975~88年、「天声人語」を担当。93年退社。現在、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

313
忙しい現代社会の中でぼんやりすることの大切さを教えてくれる1冊。終始落ち着く文章だった。2016/04/12

佳音

60
惚れた腫れたと言いたくないが、文章に惚れている。インプリンティングと言われればその通り。小2から読みはじめた新聞に天声人語は載っていた。おそらく天声人語では「晩年」の時期を読んでいたわけだから、円熟を堪能したわけだ。調べ学習で調べた時もっとたしかにすごい執筆者はいたけれど、こどもにも胸に沁みた文章を書くおじさんだと思う。悪いけど、今の天声人語が天声人語だと思ってほしくない。11月5日は酷かった。2016/10/30

団塊シニア

53
ぼんやりは自分と向き合うこと、そのためにはひとりの時間が大切、納得できる内容である、作者の文章のうまさ、美しさが心地よいひと時を読み手に与えてくれる。2016/04/03

純子

36
人生や仕事のあれこれで疲れ果て、もう長いこと休んでいますが、ただぼんやり、のんびり過ごせばよいというものではないのだなと。できれば自然に抱かれて、ほんとに余計なことは考えず、ただただ景色を眺めて過ごすとか、温泉という自然の持つ力に癒されるとか。大事なのは“質”なんですね。自然のなかへ散歩にでかけること、なんかもいいようですが、わたしにはまだハードルが高いので、とりあえずテレビの音の聞こえないところで本を読むこと、洗濯を干すときに空を見上げることあたりから始めようかな。焦らずに。2016/10/20

Takayuki Oohashi

31
朝日新聞の特派員や天声人語を担当した優雅な教養の溢れる知識人が、余裕たっぷりに、普通の人なら感じる「自然はいいぞ」というテーマを、少々自分に酔った文章で書いた嫌味なエッセイという風に僕は読みました。まあ、最後まで読めたのは、この作者の文章力というのもありますが……(余談ですが、改行のテクなど、凡人では真似できないレベル)。今、岸田秀や阿部謹也などの著作も少しずつ読んでいるのですが、そういった個性豊かな作者と比べても、一般人の常識の範疇を超えていない、ありがちな本だと思います。ただ「独」の章は良かったです。2016/10/26

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