岩波新書
介護保険は老いを守るか

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  • サイズ 新書判/ページ数 244,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312314
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0236

出版社内容情報

介護保険が始まって10年。「介護の社会化」「高齢者の自立支援」を進める制度として歓迎されたものの、その後、財源論を盾に改悪が続き、いまや課題が山積みしている。著者は利用者の視点から、徹底検証と具体的提言を行う。

内容説明

二〇〇〇年四月に始まった介護保険制度は、「介護の社会化」「高齢者の自立支援」を進める画期的なものとして歓迎され、今日、約四〇〇万人が利用している。だが、この間、財源論を盾に改悪が続き、緊急の課題も山積み状態。社会保障審議会の委員として議論に加わってきた著者が、利用者の視点に立って徹底検証と具体的提言を行う。

目次

第1章 介護保険はなぜ創設されたのか(介護保険サービスの夜明け;高齢社会の到来と新しい事態;介護の社会化;介護保険サービスの推移)
第2章 介護保険サービスの「適正化」(同居家族と「生活援助」;生活援助利用制限の波紋;なぜ厳しい、外出支援;福祉用具貸与にも「適性化」の嵐;直撃された小規模事業所)
第3章 解決されるか、介護現場の危機(介護で働く人たちの叫び;介護保険施設の新たな課題;ホームヘルパーは「社会の嫁」か;ケアマネジャーの悩みと責任)
第4章 迷走した要介護認定(要介護認定とは何か;衝撃の二〇〇九年版テキスト;経過措置と基準緩和)
第5章 老いを守る介護保険への道(第4期(二〇〇九~一一年度)の介護報酬改定
利用者にとっての介護報酬改定
介護保険一〇年で見えたもの
老いを守る介護保険への道)

著者等紹介

沖藤典子[オキフジノリコ]
1938年、北海道に生まれる。北海道大学文学部卒。1961~76年、(株)日本リサーチセンター調査研究部勤務。現在、ノンフィクション作家、NPO法人・高齢社会をよくする女性の会副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sayzk

8
2010年の本。したがって情報が若干古いですが、介護保険の問題点は今(2018年)も根本的には変わらずか。介護関連の本によくある、利用者·勤労者「性善説」だけではなく、悪い面もチラリとは語られている。概ねは施策の財源論への警鐘。介護保険の話はどうしても予備知識が要る。よって一般の方と関係者で問題点を共有しにくうございます。2018/11/24

二輪病

4
2000年に施行された介護保険制度とその改正にまつわる諸問題が指摘されている。「重・高・長・多」化する介護負担を家庭レベルで軽減することが目的だったが、介護認定者への不正確な対応、制度の複雑化、介護人材に対する不遇や財源優先論の跋扈…など新たな問題も含め多岐に渡っている。現場被害の一例としては、ホームヘルプサービスの一つである生活援助の利用制限は利用者の不便を助長し、他方では介護従事者の過剰自己規制を招いた。また同居の定義や散歩への認識に自治体ごとに差異があったことなども事業に支障を来したとされている。2014/01/18

伊野

3
介護保険法が2000年4月に施行されて10年後に書かれた本。主に2004年から始まった「介護給付適正化事業」の制限性と介護従事者における低賃金・重労働の慢性化、介護認定の軽度傾斜化について問題提起されている。2015/04/13

脳疣沼

2
官僚や政治家が現場のことが分かるわけはないんで、最初から素晴らしい制度が作られると言うのは悲しいけど高望みか。ここはやはり本書でも語られるように、現場が怒って声を上げていくしかないだろう。介護業界の人員は増えていくのだから、選挙に対する影響力も出てくるはずで、うまく組織化して、介護報酬を上げない政治家の落選運動とか頑張って欲しい。あと財源は保険料がダメなら税金しかないんで、福祉を充実させると公約していた民主党が、消費税は上げません!とか言って政権交代したのは、頭がおかしかったとしか言いようがない。2016/09/29

koishikawa85

2
介護保険制度がどんなものか、知るためにかつて読んだ本。いろいろと勉強にはなったが、基本的に財源を無視して充実を訴えているのがいかにも野党的。それは財源が無尽蔵にあればそうしたいのはやまやまだが、という印象をぬぐえなかった。読み返さず処分。2016/03/21

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