岩波新書 大臣 （増補版）

菅 直人【著】

岩波書店（2009/12発売）

• サイズ B40判／ページ数 257p／高さ 18cm
• 商品コード 9784004312208
• NDC分類 310.4
• Cコード C0231

出版社内容情報

官僚依存を脱し、政治主導へー。「官僚内閣制」から「国会内閣制」へ転換するための道筋を説く。政権交代はどう進んだのか。国家戦略局とは何か。１９９８年の旧著に、新政権の理念と方針、イギリス視察報告などを加えた増補版。

内容説明

官僚依存を脱し、政治主導へ―。鳩山政権の副総理・国家戦略担当大臣である著者が「官僚内閣制」から「国会内閣制」へ転換するための具体的な道筋を説く。国家戦略局とは何か。厚生大臣の経験をもとに内閣や大臣の実態を描いた一九九八年の旧著に、新たに民主党政権の理念と方針、イギリス議会政治の視察報告などを加えた増補版。

目次

民主党政権、始動
第１部　大臣とは何か―一九九六年の厚生大臣の経験から（議院内閣制における大臣；大臣の任期から考える；大臣三百日で見えたもの；大臣の仕事）
第２部　政治主導への転換―民主党政権の課題（イギリスと日本の「政と官」―イギリス視察から見えたこと；国民主権への道―民主党政権は政治主導をどう進めるか）
資料１　「政・官の在り方」（平成二十一年九月十六日、閣僚懇談会申合せ）
資料２　「予算編成等の在り方の改革について」（平成二十一年十月二十三日、閣議決定）

著者等紹介

菅直人［カンナオト］
１９４６年山口県生まれ。１９７０年東京工業大学理学部卒業。１９８０年衆議院選挙に初当選。社民連副代表、さきがけ政調会長などを経て、１９９６年１月から１１月まで第一次橋本内閣の厚生大臣を務める。１９９６年民主党を結党し、共同代表に。１９９８年新たに結成された民主党の代表、政調会長、幹事長などを歴任。現在、副総理・国家戦略担当大臣（鳩山内閣）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[mitei]

基本的に大臣に関わる制度論や厚労大臣時代にご自分で行なってきたこと、今回のマニフェストの説明だけだったので自分がこういうことをしたいというビジョンを書いていると思っていたのでちょっと残念だった。

2011/09/24

[プリン]

旧版も読んでおり、興味深く読むことができました。驚かされるのは現在の民主党の改革の多くが、１９９８年当時の著者の指摘する問題点の克服に基づくものであることです。ただ、それが単なる制度改革であり、目指すべきものとなると何ともあいまい。著者の志す改革を全うするとどのような日本となるのかも示してほしかったです。

2010/01/02

[ＫＪ]

新しい人間が参入し体制が入れ替わる。結果として隠れていた腐敗や制度疲労が明るみになり当たり前を疑う事が可能になる。政権交代が齎す効果は確かにある。如何なる政策も過程は透明であり責任の所在は明確である事が望ましい。官僚主導から政治主導へ転換するのであれば必然的に政治家の負担は増大する。官僚よりも政治家の方が有能で仕事が出来るのなら問題は無い。但し政治家と官僚が敵対した状態では一つのチームとして機能する事も難しい。不健全な依存関係は否定したとしても信頼関係は必要だ。理念は立派でも能力が無ければ実現は出来ない。

2020/07/29

[最終バック九番手]

経営者本と同じように政治家本も眉につばをつけながら読まないといけないのは十分わかっているがそれでも共感できる部分が多かったのは著者が世襲とか資産家レベルの出身じゃないからかも…１０年後に絶対出るであろう再増補版が今から楽しみ…第１刷発行：２００９年１２月１８日…本体８００円

2010/02/09

[Kazuki Yama]

著者の菅直人氏は「戦後民主主義」という言葉の提唱者として知られる松下圭一氏の考える「松下理論を現実の政治の場で実践する」といい、これまでのいわゆる自民党政治や戦後日本の政治システムの問題点を明確に指摘しさすがだと思う。だが今日の日本国首相の菅直人は松下圭一氏の政治理念はおろか、このような人道的市民政治家が政権にとって不都合な人々を排除するような恐怖政治を行うなど半ば独裁者へと転落したのはまさに現在の菅氏は現代版ロベスピエールになり下がってしまったとしかいいようがない。この本を一番読むべきは菅首相ご自身だ。

2011/07/17