内容説明
神は死んだ―ニーチェの宣告は、ユダヤ・キリスト教文化を基層としてきた西欧思想に大きな深い「断層」をもたらした。「神の力」から解き放たれ、戦争と暴力の絶えない二〇世紀に、思想家たちは自らの思想をどのように模索したか。ウェーバー、フロイト、ベンヤミン、アドルノ、ハイデガーらの、未完に終った主著から読み解く。
目次
第1章 マックス・ウェーバーと「価値の多神教」(ウェーバーの人間像―その詩と真実;アメリカへの旅で経験したこと;経済史から文化史を経て普遍史へ―キリスト教の意味;運命としての「合理化」のゆくえ)
第2章 フロイトと「偶像禁止」(イタリアへの旅;ユダヤ教と偶像禁止;ミケランジェロのモーゼ像;『人間モーゼと一神教』―「父親殺し」として;アイデンティティの自発的解体)
第3章 ベンヤミンと「歴史の天使」(ベンヤミンの方法、あるいは方法としてのベンヤミン;「ユダヤ神学」と「マルクス主義」―「歴史の概念について」の読解;「新しい天使から歴史の天使」へ;純白の未来―時間論の地平で)
第4章 アドルノと「故郷」の問題―ハイデガーとの対決(アドルノ対ハイデガー;キルケゴールと美的なものの構成;『啓蒙の弁証法』の成立;「故郷」の非神話化)
断層の断面図あるいは、「大きな物語」の発掘―あとがきに代えて
著者等紹介
徳永恂[トクナガマコト]
1929年生まれ。1951年東京大学文学部卒業。1962‐64年フンボルト研究員としてドイツへ留学、アドルノに師事。1976年イスラエルへ研究留学。北海道大学助教授、大阪大学教授を経て、大阪大学名誉教授。専門は現代ドイツ哲学・社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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