出版社内容情報
乱高下する為替相場、急激に後退する景気、止まらない株価の下落。揺れ動く世界経済を読み解く鍵は、国際金融にある。本書は、理論、仕組み、歴史の三つの側面から、国際金融の基礎を解説する。コンパクトでわかりやすい好著として定評ある旧版をアップデート。必須の知識が、この1冊で得られる。
内容説明
乱高下する為替相場、急激に後退する景気、止まらない株価の下落。揺れ動く世界経済を読み解く鍵は、国際金融にある。本書は、理論、仕組み、歴史の三つの側面から、国際金融の基礎を解説する。コンパクトでわかりやすい好著として定評ある旧版をアップデート。必須の知識が、この一冊で得られる。
目次
序章 安定的な国際金融を求めて
第1章 国際金融と外国為替
第2章 国際収支と国際金融
第3章 為替相場制度と為替レート
第4章 為替レートと国際収支
第5章 財政金融政策と国際金融
第6章 為替リスクとデリバティブ―先物為替・オプション・スワップ
第7章 国際通貨制度(1)―固定相場制
第8章 国際通貨制度(2)―変動相場制の経験と評価
著者等紹介
岩田規久男[イワタキクオ]
1942年東京生まれ。1966年東京大学経済学部卒業。上智大学経済学部教授を経て、学習院大学経済学部教授。著書に『昭和恐慌の研究』(編著。東洋経済新報社。第47回日経・経済図書文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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澄
11
普段ニュースで目にする国際金融の言葉、分かりやすく説明されており、題名通り入門書。ただ、まったく知識ゼロから読むと???となるかも。2017/08/30
ひと
7
国際金融の基礎概念と用語の説明から、為替レート、国際収支、財政・金融政策効果、デリバティブまで、言葉で丁寧に解説されています。一番ぴったりなのは、国際マクロマクロ経済学を学び始めた学生が、数式とグラフの入った教科書を読みながら、副読本として本書の言葉による説明を参照するといった場面かと思います。経済学をかじっていると、言葉だけの説明が逆にくどく感じられるかも。グラフを頭に描きながら読みました。トリレンマの何を捨てているかで、各国のスタンスが分かるのは面白いですね。リーマン以降の他の本も読みたくなりました。2015/10/05
KJ
4
国際金融が論理的に解説されている。国際収支の変動や資本の移動が如何に金利に影響し為替相場を左右するのか。大きな変化が起きても市場では調整機能が働き元の状態へ戻る。様々な方向から説明される事で理解も深まる。国際金融のトリレンマが示す様に全てを都合良く満たすシステムは存在しない。安定性か柔軟性か。無理矢理の安定性を求めて固定相場制に固執すれば必ず歪が生ずる。為替リスクは発生しても変動相場制を採用し柔軟性の中で安定化を図る事が最善の道だろう。経済摩擦の原因を日本市場の閉鎖性に求めた米国の主張の理不尽さも頷ける。2020/08/14
さわ
4
新書だがその内容は非常に濃い。また、入門の名を打っているが闇雲に読み進めると理解に苦しむ部分が多々あると思う。私はノートをとりながら、学ぶことにしたほどである。さて、本書は金融政策の為替や外国為替市場、固定(変動)相場制下の金融政策、金本位制から現代に至る金融政策の概観を学ぶことができる。が、マンデル=フレミングモデルはIS-LM分析を用いた方がわかりやすいと思う。新書だから仕方ないのかもしれないけれど。2016/06/11
takizawa
4
およそ入門書が有すべき性質を全て兼ね備えている本。以下学習のための備忘録:以前、経常収支赤字を抱えたアメリカは、日本の構造的障壁をなくし市場解放を進め、経常収支黒字を縮小させる必要があると主張した。だが、市場解放が日本の長期的な国内総生産を減らし内需を増やさない限り、貿易・サービス収支や経常収支の黒字の大きさを変えることはない。なぜなら、輸入障壁により一時的には輸出が減るとしても、失業者の増加・賃金低下・国内生産物価格の低下により、やがて国際競争力が増大し、元の水準に戻ってしまうからだ(133頁~)。2009/10/03