岩波新書<br> イスラエル

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岩波新書
イスラエル

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311829
  • NDC分類 228.5
  • Cコード C0236

内容説明

イスラエルはいま、「ユダヤ国家」という理念と多文化化・多民族化する現実とのはざまで切り裂かれ、国家像をめぐって分裂状態にある。なぜそうした苦悩を抱え込んだのか。シオニズムの論理、建国に至る力学、アラブ諸国との戦争、新しい移民の波、宗教勢力の伸張、和平の試みと破綻など、現代史の諸局面をたどり、イスラエルの光と影を描く。

目次

第1章 統合と分裂のイスラエル社会
第2章 シオニズムの遺産
第3章 ユダヤ国家の誕生
第4章 建国の光と影
第5章 占領と変容
第6章 和平への道
第7章 テロと和平のはざまで
終章 イスラエルはどこに向かうのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まえぞう

18
ホロコーストは極端にしても、常に差別・迫害を受けてきたユダヤ民族が自分達の国を持ちたいという気持ちはわかりますが、中東系やロシア系など背景を異にする人々をまとめていく理念は何なのかが大きな課題となっていると感じました。それと、イスラエル国内で今後も比率を増していくと予想されるアラブ人との関係も重要ですね。2023/08/20

coolflat

14
16頁。1948年、イスラエルと戦争状態に入ったアラブ諸国やイスラム世界からユダヤ人移民が増加した。イエメン、イラク、モロッコ、イラン、トルコなどからのユダヤ人新移民であった。このような中東イスラム世界出身のユダヤ人をミズラヒームと呼ぶ。191頁。オスロ合意の挫折は結局のところ、和平の果実の分配にあずかれずに不満を蓄積した貧困な社会層が和平に反対する右翼勢力を選挙で支持したためであった。「和平の配当」にあずかれなかった社会集団の代表が貧しいミズラヒームであった。彼らは救済を求めて右翼政党への支持へ傾いた。2016/11/03

Ryo Hirao

13
英仏、ユダヤ人、アラブ人の三角関係によってイスラエル国が生まれたという筋書きが、実は歴史のごくごく一部しか表していないことを知った。排斥、侵略、テロリズム…近年様々な言葉で表現されるなかで対立という一定の静的な関係を想定してしまっていたイスラエル対パレスチナの構図だが、イスラエル内でのユダヤ人の性質の変化などに支えられて実は少しずつ内政的・外交的な政治の方向性も変化している。まだまだ知らないことが多い地域である。2015/07/31

アーロン

9
ユダヤ人と非ユダヤ人、帰還法、近隣諸国との関係、オスロ合意、タカ派とハト派の対立、シオニズム、建国から現在までの流れ、安全保障や経済的援助でのアメリカとの関係など、様々なことを知れた。馴染みのない世界のことなので、読み進めるのに時間がかかったが、日常的にニュースで知る事柄の中身を少しだけでも理解できたので、これは有意義な読書だと思えた!世界を知ることは刺激的だ。2019/05/11

Tomozuki Kibe

8
ナショナリズムの勃興の時代ポグロム・ホロコーストの中でユダヤ人の民族国家として発足したイスラエル。だがユダヤ民族国家といいながら、2000年の間にユダヤ人の民族は愚か人種的統一性は崩壊。結果として世俗国家を目指しながら「ユダヤ教徒」であることが構成条件となってしまった。結果、国内に人種・民族対立が発生。貧困層にされたアフリカ系ユダヤ人が右翼を支持して停戦合意は破棄へ…。そもそも「民無き地」なんて砂漠か難局しかないのに先住アラブ人を無視して国を作った無茶。「ウガンダ合意」を受けていれば…と思わざるを得ない。2023/09/05

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