岩波新書<br> 戦艦大和―生還者たちの証言から

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岩波新書
戦艦大和―生還者たちの証言から

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  • サイズ 新書判/ページ数 218,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310884
  • NDC分類 916
  • Cコード C0221

内容説明

真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。

目次

序章 誕生
第1章 初陣
第2章 海戦
第3章 出撃
第4章 沈没
第5章 生還
第6章 責任
第7章 遺族
第8章 戦後
第9章 真相
第10章 未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

115
戦艦大和に纏わる事をコンパクトにまとめられてます。戦後何十年と経つ中で、生還者に話を聞ける限界を意識しつつ、ノンフィクションで構成されてます。また、完成前から沈没を経て、生還者を取り巻く風潮など、時系列に綴られてます。大和とその周辺を知るには十分な一冊だと思います。2023/08/09

樋口佳之

57
大和は、見る者の歴史観を映す鏡である。/この著者の総括に、若い頃なら納得したのでしょうが、今はそれは違うのでは、鏡にしてはいけないのではと思うのでした。大和という事実、そのたどった歴史、関わりを持ち生き、あるいは亡くなった方達、そのご家族のたどった戦中戦後、それらすべて現実にあった事の一つ一つに向き合う事が大切なのではと。本作自身はその助けとなるもの、もうあつめる事のできない記録となっているものなのですし。2023/08/10

hatayan

24
進水式を迎えたときには既に時代遅れ。期待された戦果を挙げることなく沖縄特攻の途上で海に沈んだ戦艦大和。3,000人を超える犠牲のなかで生還した乗組員に聞き取りを重ねます。 生き残ったことに後ろめたさを感じていること、大和の乗組員であったことが誇りであったこと、大和は沈んだことで敵国の見世物にならずにすんだこと。著名な『戦艦大和ノ最期』(吉田満)はフィクションであることも明らかにされます。 見る人によって見方や評価がまるで変わってくる多面性が、大和が時代を超えて関心を引きつける原因なのかもしれません。2018/12/04

ケー

24
この前旅行で行った大和ミュージアムが印象深かったので新書で読んでみた。書かれたのが10年ほど前、大和ミュージアムが開館したばかりというのもあり、ホットなタイミングでの出版。前半は大和がいかにして作戦に参加し、沈没したのか。後半は乗組員の方の証言。陸軍と違い、常に戦場というわけではない戦艦。中での生活は意外に豊かというのがビックリ。当時は「不沈艦」と真面目に信じられていたというのもそのスケールを考えるとわかる。戦後70年を過ぎ、この戦艦を考えることは大事だと改めて認識した。『戦艦大和ノ最期』も読みたい。2017/10/21

浅香山三郎

12
栗原さんの本を読むのは2冊目。本書は2007年刊なので10年前の本だ。この当時に生存してゐた大和の生還者は20名程度だつたといふから、いま何人程ご存命なのだらう。本書あとがきにあるやうに「ぎりぎり間に合つた」としみじみ感じさせられる貴重な証言を収める。呉のミュージアムはまだ行つたことがないが、戸高一成氏の本は読んだことがある。最近の艦船製造技術の視点からみた大和ブームが、悲劇の実相から切り離されて浸透してゐる感もあり、生還者が居なくなるとその傾向はもつと強くなるだらう。2017/07/30

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