内容説明
「意志あるお金」を社会に活かす。キーワードは社会的リターン。既存の銀行や市場ではお金がうまく流れない、社会や環境のためにお金を回したい―さまざまな知恵と工夫によって広がる内外の金融NPOを詳しく紹介。営利金融との連携や「協働」を促すための望ましい金融制度の姿を論じる。
目次
第1章 日本の金融をどうみるか
第2章 広がるNPOバンク
第3章 多重債務者を救え
第4章 市民ファンドで起業支援
第5章 寄付で促す資金の還流
第6章 米英の金融NPOの担い手たち
第7章 「銀行」になった金融NPO
おわりに―お金の巡りは社会を活かす
著者等紹介
藤井良広[フジイヨシヒロ]
1949年神戸市生まれ。1972年大阪市立大学卒業、同年日本経済新聞社入社。ロンドン駐在、経済部編集委員などを担当。2006年から上智大学地球環境学研究科教授。環境金融論、CSR論などを専門とし、ジャーナリストとしても活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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山口透析鉄
23
これはだいぶ前に古書で買ったままになっていました。 2007年の新書なのでリーマンショックの記述はないです。金融のプロ、金融工学者たちもリーマンブラザーズの破綻は予想できていなかったのでしょうから、あまりアテにならないです。 郵貯と財政投融資の関係みたいに、何に使われるかわからぬままお金を預けるのならば、そうではない、もっと意思をきっちり持っているところに預けたいという考えはあるでしょう。反原発路線を明確化した城南信用金庫には私も口座を持っていました。 NPOの組織を地域や金融プロと繋げる事例が豊富です。2025/06/12
Hiroki Nishiyama
4
意志あるところにお金は集まる。如何に人を引き付け、共感してもらうか。そして人を喜ばせられるか。そこが重要だと思います。自分がもし投資してもらう側になればそう考えるし、投資する立場なら、そういう人にお金を託したい。2011/09/24
うりぼう
3
私も出資しているモモが紹介されています。2008/07/15
貧家ピー
2
営利を目的とする銀行ではなく、お金の流れを市民の力で作っていく。これからの日本でも、NPOや地域の力が求められるだろうが、まずお金が必要なのは否定できない。「血流を確保する」ことで、活動が可能になる。2007/09/06
ちぃ
2
読んだときは非常に興奮した。晴れの日に傘を差し出し雨が降ったら取り上げるだけが銀行じゃないぞ、と。いくら綺麗事言ってもお金は大事。でも、お金は手段であって目的ではなく。限られた資本をどうやって最大限に活かすかと、このような取り組みをますます広げて行きたく思った。営利と社会貢献は両立できる、というかするべき時代になってきている。2014/09/22
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