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岩波新書
グアムと日本人―戦争を埋立てた楽園

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  • サイズ 新書判/ページ数 196,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310839
  • NDC分類 274.1
  • Cコード C0236

出版社内容情報

年間100万人の日本人が訪れる米領グアム。同島が旧日本領で、かつて2万もの日本兵が命を落とした激戦地である事実が、現在の観光客たちに意識されることは少ない。いったい誰が、いつ、どうやって現在の「日本人の楽園」を開発したのか。無個性なリゾートの地下に眠る、忘れられた記憶を掘り起こす。写真・図版多数掲載。

内容説明

年間約一〇〇万もの日本人が訪れる米領グアム。その島が旧日本領で、かつて二万近い日本兵が命を落とした激戦地であった事実が、現在の観光者たちに意識されることは、少ない。いったい誰が、いつ、どうやって「日本人の楽園」を開発したのか。無個性なリゾートの地下に眠る、忘れられた記憶を掘り起こす。写真・図版多数掲載。

目次

第1章 「大宮島」の時代(日本領グアムに生きた人々;短い戦闘と長い戦争;「私たちの中の横井さん」から「ヨコイさん」へ)
第2章 基地の島と観光の道(「立入禁止」の孤島;グアム観光の「基本計画」;慰霊観光と記憶をめぐる抗争)
第3章 楽園の建設、記憶の埋立て(観光開発と日本のメディア;宮崎の南、ワイキキの西;タモン湾の開発と記憶の埋立て)
第4章 値札と忘却(日本人の観光変容と「三つの波」;格安旅行とマニュアル型ガイドブック;値札を付けるメディア;「記憶の回路」の途絶)
第5章 見えない島(誰も死なない島;二一世紀の植民地;見えないことさえ見えなくなるまえに)

著者等紹介

山口誠[ヤマグチマコト]
1973年東京都生まれ。2002年東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(社会情報学)。関西大学社会学部准教授。専門、メディア研究、歴史社会学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いの

18
私にとって貴重な1冊となりました。グアムはスペイン、アメリカ、日本の統治時代を経て現在はアメリカの領土となっている小さな島です。「戦争を埋立てた楽園」というサブタイトルで強烈にグアムを表しています。1960年代よりメディアの戦略や経済状況により一気に観光者が増えたグアムですが横井庄一さんはまだ「宮古島」という戦争の中で生きていました。とても切ないです。10年程前の本ですが、第5章の「見えない島」を読み今も見えない戦争は続いていると感じました。「記憶の回路をとりもどす」このひと言を言いたい本なのですね。2019/05/06

アキ

15
この本は記憶の書き換えがいかにおこるのかということを示す例になっている。グアムのイメージは「南国の楽園」だが、太平洋戦争後20年ほどで、新婚旅行のメッカとなり、日本兵の死刑囚がいた教会で日本人の結婚式が行われている皮肉を現地の人はどう見ていたのか?日本軍が作り、数か月後に米軍が占拠し、日本本土に爆撃をした空港が、多くの日本人観光客が降り立つグアム国際空港であることを知る日本人は何人いるのか?アサンには米軍が日本軍に総攻撃をして再上陸をしたことがあったとは想像もつかないような穏やかな美しい浜が広がっていた。2018/04/11

活字の旅遊人

11
グアム旅行前の予習。すごくよくまとまっていて、グアムで浮かれた気分になれなかった(笑)。2010/08/31

Shiori

10
果たして私はこの本に書かれていることを一つでも知って現地に行っていたのか?横井さんの話、グアムに不利益なアメリカとの関係、そして日本との戦争の記憶を保ちつつも日本との未来を考えてくれている現地のチャモロ人の話… 日本の観光産業のためのグアムと考えると日本のメディアに腹が立つ一方、それらに経済を頼っている面もあるグアムを考えると一概にメディアが悪いとは言えない。この関係性は私たちの周りに多々存在すると思った。GUAMの新しい一面を知った今、もう一度訪れてみたい。2015/10/20

ヒロユキ

9
かつてグアムが戦争に巻き込まれたことは知っていましたが、過去の短い日本の統治時代に日本人が原住民のチャモロの人々に大量虐殺を行ったことは知りませんでした…。はじめての海外旅行はグアム。その時は何も考えずに「青い海、白い砂」のビーチでビールを飲みつつ読書したりシュノーケリングして魚に餌付けしたり「日本人の楽園」を楽しく過ごしました。…グアムにまた行く機会があり、その前に本書を読めたのは幸運だったと思います。今回は過去に起きた様々なことをタモン湾のトーチカ跡で考えてみたいと思います。…成田空港にて2012/05/31

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