出版社内容情報
長年、地域医療の第一線で活躍してきた著者が、現在の治療の到達点と限界とを解説する。また、自身、がん患者でもある立場から、いま、制度として何が求められるか、がんとどう「共存」をはかっていくべきかを問いかける。
内容説明
罹患者が増える一方のがん。長年、地域医療の第一線で活躍してきた著者は、高齢化の影響に特に注目し、現在の治療の可能性と限界とを解説する。また、自身、がん患者でもある立場から、患者やその家族の置かれる厳しい状況に着目し、制度として何が求められるか、がんとどう「共存」をはかっていくべきかを真摯に問いかける。
目次
序章 がん医療の「転換期」
第1章 がんの「本質」を見つめる
第2章 求められる「選択と決断」
第3章 がんの「早期発見」
第4章 「患者本位」のがん情報
第5章 「がん難民」の明日
第6章 がんと「共存」する
終章 がんの医学に新たな風を
著者等紹介
額田勲[ヌカダイサオ]
1940年生まれ。北九州市の健和総合病院などの勤務を経て、80年より神戸みどり病院院長(現在、理事長)。89年より神戸生命倫理研究会代表を務める。脳死・臓器移植問題、終末期医療問題、95年の阪神・淡路大震災以降は被災者支援問題などを問い続けている。2003年、第12回若月賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2024/05/22
Takao
2
2007年5月22日発行(初版)。半月ほど前、蔵書処分の相談に行った古書店で見かけ購入。読みながら、自分自身や家族が癌になったら、と不安になって来た。周辺にも癌が見つかり治療を始めた人や闘病中の人、「克服」した人などもいる。本書は、「癌は根治できる」という思い込みから、苦痛を伴う治療を続けることへの疑問を軸に医者としての著者の経験、想いが綴られている。発行から14年を経て、さらに医学は進歩しているのだろうが、「生老病死」という悩みが尽きることはないだろう。改めて自分に「残された時間」をよりよくいきたい。2021/10/05
ヒトミンハルリン
0
癌治療の現状と問題点が分かる。医師として、がん患者と向き合ったときの話、自身が罹患した話など、作者の人柄がうかがえる。2014/08/01
tetsuya
0
何も知らなかったから勉強になった2013/09/16
アルゴン
0
★★★☆ おおむね悲観的な論調。しかし長年たくさんのがん患者をみてくるとそうなるのでしょうし、最近の「がんは大したことない病気」という論調にたいしてくぎをさしたい部分もあるのでしょう。2010/09/02