内容説明
いまや二人に一人が、がんになる時代。だが、日本では「緩和ケア」が大きく誤解されてきた。治療の断念後、終末期にせめて痛みの除去を、ではないのだ。最新の薬剤・技術を用い、早期から治療と並行してさまざまな苦痛の除去を実施する医療―その最先端を行く癌研有明病院(東京)の実情を描き、満足度の高いがん医療のあり方を提示する。
目次
第1章 緩和ケアとは
第2章 緩和ケア病棟の日常
第3章 がんの痛みをとる
第4章 早期からの緩和ケア
第5章 進化する緩和ケアの技術
第6章 抗がん剤治療から緩和ケアへ
第7章 安心して自宅に戻れる緩和ケア
第8章 緩和ケアの今後
著者等紹介
坂井かをり[サカイカオリ]
1964年生まれ。1987年東京大学薬学部薬学科卒業後、NHKに記者として入局。松山放送局を経て、報道局社会部、科学文化部で医療・環境問題を中心に取材。2001年からNHKエデュケーショナルのチーフ・プロデューサーとして、「きょうの健康」をはじめ、NHKスペシャル「なぜ真相を伝えなかったか―慈恵医大青戸病院・家族への報告書」(2004年)、ETV特集「がんと向き合う―緩和ケア最前線」(2006年)など、医学・医療番組の制作や市民公開講座の企画に関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2024/04/01
アルゴン
2
★★★☆ P.5のグラフが筆者の言いたいことの全てでしょう。最先端はどんどん進んでるけど浸透はなかなかしないのが現実なんですね。2011/09/27
itnek
2
こういう本は身内等ががんになって初めて読むもの。しかし、ほんとうに沢山の人に読んでもらいたい。無知のままがん治療を医者に任せっきりだと不幸を招く恐れも。2011/02/24
tana
2
日本では「緩和ケア」というと「終末期限定」でしか関わりを持たない医療のように誤解されている。「緩和ケア」とは癌の早期から積極的に患者さまに関わり、苦痛を緩和するための複数の科で、関わっていくこと、なのです。この本の中はWHOのいう「緩和ケアと癌治療を並行して実践する」東京の癌研有明の取り組みをもとに構成してあります。人生の最後のときまで、命を諦めず、以下に苦痛を軽くしてその人らしく生きていくのか・・・・。この取り組みが日本で広がり、どこに住んでいる人でもこういった治療をうけられるよう願っています。2011/03/16
猫と牛乳
1
WHOの緩和ケアへのスタンスをもとにより良い緩和ケアを紹介する本、というのはいいのですが、少し癌研有明病院を推しすぎではないでしょうか。私自身はあまり病院の実態に関して詳しいわけではないのですが、ほかにもしっかりとしたケアをしてくれる病院は存在するのではないだろうか、ということを強く感じます。 2014/08/31