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岩波新書
古代中国の文明観―儒家・墨家・道家の論争

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309444
  • NDC分類 124
  • Cコード C0210

内容説明

古代中国の文明発生時、巨大な都市文明の建設に伴って大規模な自然破壊が行われた。孔子・墨子・老子等の諸子百家は、この問題についてどう考えたのか。彼らの間でかわされた論争を交え、その文明観を紹介する。自然と文明の関係が切実な問題として問われている今日、そこには環境問題を考える際のヒントが隠されている。

目次

第1章 文明以前の環境問題―弱小な人類はいかに生き延びたか(圧倒的な自然の脅威;「聖人」による文明の創出 ほか)
第2章 文明発生の記憶―文字の発明(文字の発明;鬼とは何か ほか)
第3章 儒家による文明の全面肯定―孔子・孟子・筍子(王者の言説が唯一の権威;孔子学団の登場 ほか)
第4章 墨家が説く節約型文明社会―墨子(墨子の教育方針;墨家集団の統率者―鉅子 ほか)
第5章 道家による文明批判―老子・荘子(古代天道思想―道家の淵源;『老子』の思想形成 ほか)

著者等紹介

浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年仙台市に生まれる。1976年東北大学大学院文学研究科博士課程修了。東北大学大学院環境科学研究科教授。専攻、中国哲学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

14
今、隣で戦争してるけど、どうでもいい。でもこの時代は自分事だった。いつ戦争に巻き込まれるかわからない。だから真剣に考えてた。今は、考えることをしない。それはなぜだろうか。ぐーぐるが答えを教えてくれるから?AIが答えっぽい何かを吐き出すから?考えて考えて考えて、最後は人を殺す。何をしているんだろうね。それでもよかった。人生、最後に笑ったものが勝ちなのだろうか。2024/06/18

壱萬参仟縁

11
聖人とは、人類が自然の脅威を克服して文明社会を築き、より豊かに安全に暮らせるよう教え導いた人物(15頁)。孔子学団ができるのは、春秋時代後期であるという(61頁)。評者は荀子の楽観性よりも、墨子の節倹主義を推したい(76‐7頁)。将来のために節約を説いたのは二宮尊徳。同様に墨子は先行していたのだ。墨子の生産概念は、富裕層への贅沢を戒めることと、実用品の倍増を狙うもの(112-3頁)。更に老子もまともである。王侯の奢侈を批判したからである(173頁)。現代への教訓は、墨子と老子に求めることができる。自給で。2013/06/05

BIN

8
環境問題は近現代で取り沙汰された問題のように思えますが、もう春秋の時代にも考えられていたというのが本書のお話。儒家は資源は無限にあるからじゃんじゃん使えという思想、対して墨家は有限だから節約しろとという思想や他の諸子百家の思想も含め整理して解説してくれてます。孔子王朝の話は面白い。道家の思想が個人的には一番だが、現代文明に慣れてグータラになった私には残念ながら無理。ただ儒家ではなく墨家の思想が主流になっていたら、秦以降の中国国家の発展はなかったような気がします。2019/06/13

もち

7
とても勉強になった。知っている事柄が多かったのに、このように整理されたのは初めてで、意外に思ったが、思想史を専門にしてらっしゃるなら納得できる。わかりよく理解できよかった。2016/04/16

おらひらお

5
2005年初版。儒家・墨家・道家の文明観を通史的に検討した本です。黄河文明の発祥の地でも文明によって生活や身の回りの自然が急速に変化したことにより、文明そのものが考察の対象になったようです。ただ、著者からすれば序曲的内容でしょうか?2012/09/23

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