内容説明
雪印、三菱自動車などの相次ぐ不祥事で経営陣の責任が問われる一方、日産、ヤマト運輸などのトップが、いま名経営者として賞賛されている。一体、社長や取締役の役割とは何であり、その評価はどうなしうるのか。事業家的才覚、戦略的意思決定、最終的責任能力などの必要を具体例に即しつつ語り、企業で働くすべての人びとの関心に応える。
目次
序章 「冬の時代」の経営者
第1章 「オーナー経営者」と「サラリーマン経営者」
第2章 経営者の役割とは何か
第3章 経営者に求められる能力
第4章 日本的組織と経営者
第5章 経営者能力をどう測るか
第6章 経営者と企業倫理
第7章 経営の継承と経営者の引退
著者等紹介
大沢武志[オオサワタケシ]
1935年京城(現ソウル)に生まれる。1960年東京大学教育学部卒業。62年、同大学院修士課程修了。同年、日立製作所入社。65年、日本リクルートセンター(現リクルート)入社。取締役テスト部長、専務取締役、組織活性化研究所長などを歴任。89年、人事測定研究所(現HRR)を設立し代表取締役社長。2000‐03年、流通科学大学教授。現在、産能大学大学院客員教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
44
経営学の教科書とは少し異なり、日本的経営あるいはコンプライアンスからの経営者についての分析論です。一番著者の言いたかったところは、「経営者に求められる能力」というところで三つのスキルと四つの経営者能力ということではないかと思われます。これはあくまで理想なのでしょう。どれだけ今の経営トップにこれだけの能力を備えた人格者がいるかということです。2015/07/02
kiki
9
リーダーシップの四機能。①目標達成に向けたメンバーの役割遂行を要望、②メンバーを支持する機能、③仕事や組織に関する情報を提供、④メンバーから能力的・人間的に信頼される。この四つの機能をうまく活用し、組織を機能的に動かすこと。部下を自立させるために自律をさせる。自ら行動し、実行することも大切。部下には単に背中を見せるだけでなく、行動して成功させる手ほどきをすること。勝手に育つ部下は一握り。多くの部下を育てる事がリーダーの役割。これを心に留めておくこと。組織を強くするための必須事項である。2019/05/03
beeline
2
二章「経営者の役割は何か」三章「経営者に求められる能力」は概論として、五章「経営者能力をどう測るか」のAT&T、シアーズ等の経営者の職務・職場・自己の三側面の能力を測る実証的研究は面白く読んだ。他章で取り上げられる戦後の日本の大企業の経営者を例を引かれても、やや鼻白む。2020/01/05
加藤佑介
2
創業者の本。会社理解と適性検査関連を知りたくて読んだ。 起業家精神があるとないことの違いの大きさ、経営者に必要なコンピテンシーを学べた。2018/04/22
ぴくみん
2
経営者というと住む世界の違う人という印象を感じてしまうかもしれないが、人間として大事な事、例えば倫理観や人望、誠実さや社交性などの普段の自分達にも必要な事が改めて基本として求められるんだなと感じた。とても読みやすく、経営学やリーダーシップの入門書・ガイドラインに最適だと思った。2015/03/24