出版社内容情報
都市とはなんだろう.それは「カミサマのいる場所」のことだった.では「カミサマ」とはなにか-日本各地を巡る探索の旅は続く.ユニークな視点と平明なことばで綴る,著者の多年にわたる都市研究のエッセンス.
内容説明
都市とはなんだろう。それは「カミサマのいる場所」のことだった。では「カミサマ」とはなにか―吉備に太古の国造りを見、古代と近代の「宮城」の意味を探り、現代の「鎮守の森」の役割を考えながら、探索の旅は続く。ユニークな視点と平明なことばで綴る、著者の多年にわたる都市研究のエッセンス。
目次
はじめに―世界の都市と神さま
「吉備の穴海」って何だろう?―古代の国土開発
皇居の中に入ったことがありますか?―都城と宮城
東寺の塔はなぜ倒れないか?―平安仏教と商業
鎌倉の切通しを見る―中世の城の明暗
京町家に住みたい―町衆と氏神さま
安土山に「永遠の都」がつくられた―戦国武将の神殿
東京の鎮守の森はなぜなくならないのか?―森と人間の共生
京都の小学校になぜ火の見櫓があるか?―江戸の町組から明治の学区へ
甲子園球場になぜ人が集まるか?―私鉄と郊外の発達
大雪山は北海道のカミサマだ―日本の水資源の構造
むすび「山見の聖軸」をかんがえる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
12
出雲には川がない。都市の基本は河川である。斐伊川があった。中国山地があった。そういうことかもしれない。だから発展が阻害されたのだ。斐伊川で発展しても、大きくなれない。大陸から流れつくこともあったのだろう。目指してきたものもあったのだろう。だが、中国山地を超えられなかった。広島、福山、岡山、そして姫路。やはり、淀川には勝てない。人口を養うことができない。カミサマがいるだけでは勝てない。世界はやっぱり面白い。2023/04/16
うえ
7
「イギリスのニュータウンを主導したのは労働党である。そこに、なんと宗教施設があるのだ…大阪のある住宅団地で、住民が子供たちのために地蔵をおきたいと陳情して公共団体から拒否された事件があった…ガーデンシティの生みの親であるハワードは、イギリス労働党員で、かつ、熱心な社会主義者だったのである」「わたしたち日本人は、ともすると「科学と宗教は対立するもの、宗教はもはや過去のもの…キリスト教と社会主義は相容れないもの」とかんがえがちだが…そうおもうのはどうやら世界中でほとんど日本人だけで、宗教はなお存在している」2015/11/05
みくろん
1
文系レポート課題の為に読んだが、筆者の意見に賛同できる箇所はあったものの論拠がはっきりしないものが多かったので「うーん」って感じ。題材は面白いとは思った。2015/06/04
takao
0
日本の都市には城壁がない2016/09/10
寝なきゃ
0
欧州の街と教会、日本の集落と神社、果ては信長と安土城まで、とても面白い本だ。2015/07/16