出版社内容情報
生命が危ぶまれるような迫害を受けている人々に対して,国際社会は何ができるのか.人道的介入を名目に行われたユーゴ空爆をはじめ,冷戦後の各地の地域紛争を検証し,21世紀における,〈平和のつくり方〉という難問に迫る.
内容説明
極度の迫害を受け、生命が危険にさらされている人々に対して、国際社会には何ができるか。彼らを救うのに武力以外の手段がないとすれば、どうしたらよいのか。人道的介入の名目でNATOが行ったユーゴ空爆をはじめ、ソマリア、ルワンダなど、数々の地域紛争を検証し、21世紀における平和のあり方、人道的であることの意味を考える。
目次
序 世紀の難問―複雑化した平和のなかで
第1章 人道的介入とは何か
第2章 試練の国連体制
第3章 「人道的戦争」―コソヴォのはかない春
第4章 正戦論をおしとどめて―人道的救援と軍事
第5章 市民的介入の論理
終章 終わりなき課題
著者等紹介
最上敏樹[モガミトシキ]
1950年北海道生まれ。1980年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、国際基督教大学教授、同大学平和研究所所長。専攻は国際法、国際機構論
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感想・レビュー
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佐島楓
51
何をもって「人道的」といえるのか。軍事介入以外の「人道的」介入とはどうあるべきか。こんなご時世だからこそ、しっかり考えておかねばならない。直視しづらい問題もはらむからこそ、自分が人間としてどういうスタンスでいるのか、考え続けたい。2015/09/21
おおた
21
何とはなしに人道的介入には武力がつきものという思い込みを払拭してくれる一冊。国境なき医師団やアムネスティなど一部からは胡乱に思われても、武力抜きで人権が奪われている人たちを助ける活動が大切という当然のことを思い出させてくれる。一方でそれでも武力を使わねばという時にどうするか。某隣国についても経済制裁や国交断絶のような政府間ではなく、住民を救うための何かができたら良かったのだけど……。ユーゴ空爆が人道的介入の典型ではなくむしろ例外という話も耳新しく、また学ばないと自分の気が済まない分野が広がってしまった。2017/11/07
Nobu A
13
同著者の「国連とアメリカ」が興味の入口。戦争放棄イコール平和だった時代から国際連合創設。集団安全保障という考え方に変わり侵略鎮圧及び懲罰が付加。国連の成り立ちや現在抱えている問題を考えると、この人道的介入がいかに難しいかが分かる。加えて、いつ、誰が、どのようにと介入そのものも誰もが簡単に実施できるものではない。戦後、人権尊重思想が拡大。各国の利害関係等複雑に絡み合いながら世界状況が変わっていく中、あちらを立てるとこちらが立たずと「双方を立てる」ことがどれだけ困難か。道義を含め様々なことを考えさせられた。2020/01/07
みき
11
何か大変なことが起きてひどい状況にある人たちがいて、そういうことはすごく間違っている気がするのに、それを他国や他地域が武力介入をすることは、慎重にならざるを得ないゆえに起きにくい、というもやっとした不安に対して、真摯な姿勢で事例とともに考えていく本だった。「介入せよ、上流で」や、「犠牲者へのアクセス権」という印象的なワードが存在すること自体、この問題の根本的な部分を表していて、それはすなわちまず人に知られるということであると思う。2021/05/26
リョウ
5
随分と昔の本になってしまったが、冷戦が集結して新たな時代に入ったかに見えた当時において、他国の問題に対して人道的介入、特に武力行使を伴う介入をすることの是非について論じたもの。そもそも武力行使は人命を奪うことにつながるため抑止的であるべきことに加えて、他国の政治に介入する独立性の問題、武力で政権を打倒するのではなく、現に人権を侵害されている場面での民事的な支援を優先すべきではないかという考えなど検討すべき問題は様々。ただ、いくら対処療法をしても根本から対処しないと問題は解決しないのではないかとも思う。2026/01/13
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