岩波新書
漂着船物語―江戸時代の日中交流

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307464
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

出版社内容情報

詳細な資料が残されている中国からの漂着船の興味ぶかいエピソードの数々を紹介しながら,江戸時代の日中交流の実像にせまる.貿易はもとより,人的交流さらには膨大な量の輸入漢籍による学問的交流の実態を描きだす.

内容説明

江戸時代、鎖国以後も長崎には中国船が頻繁に往来して、日中間には日常的な交流があった。なかには、漂流して日本各地に漂着する船もあり、詳細な資料が残された。その中から、興味ぶかいエピソードを取り上げ、江戸時代の日中交流の実像にせまる。

目次

第1章 流人絵師の描いた唐人
第2章 富士山を見た唐人
第3章 積荷の品々
第4章 唐人屋敷の日々
第5章 唐船の姿
第6章 乍浦と漂流日本人

著者等紹介

大庭脩[オオバオサム]
1927年大阪市に生まれる。1953年龍谷大学大学院東洋史学研究科修了。現在、皇学館大学学長、大阪府立近つ飛鳥博物館館長、関西大学名誉教授。専攻は中国古代史、日中交流史
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感想・レビュー

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錢知溫 qiánzhīwēn

1
大庭脩先生のご著書である。熱心に漢籍を求めた佐伯藩主毛利高標の話や、中國から日本に傳わった書籍だけでなく、《七經孟子考文幷補遺》《古文孝經孔氏傳》《論語集解義疏》がどうやっていつ中國に傳わったかの考證も非常に興味深く讀んだ。ちなみに杭大宗(一六九六-一七七三)翟大川(?-一七八八)の二人がちらっと登場する。(一四一~三頁)さらに《七經孟子考文》が「刊本として世にひろく傳わった」のは徳川吉宗と徂徠の弟北渓の努力によることなど、(一四三-五頁 寫本は京大にある。)漢籍にまつわる話が讀んでいてとても樂しい。2022/06/07

150betty

1
(☆4)表題の通り漂着船に関する本なのだけど、筆者が江戸時代日中の交流を専門とされてる方で、中国からどんな本を輸入してたかだとか、中国ではすでに失われてて日本にしか残ってなかった漢籍の話やら、なかなか細かい話も多い。タイトル他でも良かったのではないかと思う。2014/11/04

中村禎史

0
面白かった。江戸時代、長崎以外の港へ漂着した船に関する同時代史料に見られる中国人船員の風俗、日本向けの積荷の内容、中国人に対する日本人の好奇心。漂着地千葉での中国人に対する丁寧な対応や、長崎への護送の際に富士山を見た中国人。逆に日本船が遭難して中国(清朝)へ漂着した際の、中国人貿易商などの手厚い対応。長崎の唐人屋敷の様子。オランダ人、中国人相手の芸者の気高さ。密貿易防止の為の長崎に於ける整然たる輸入手続き等々。 あとがきにある筆者大庭先生の歴史を学ぶ際の心得なども興味深かった。筆者は本書上梓の翌年死去。2023/09/19

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