岩波新書
偶然性と運命

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307242
  • NDC分類 112
  • Cコード C0210

出版社内容情報

偶然にすぎない出逢いを「運命」だと感じてしまうのはなぜか.この問いを手がかりに,ショーペンハウアー,ドストエフスキー,ハイデガー,九鬼周造等,近代理性主義の克服をはかった思索の系譜をたどる.

内容説明

恋人たちはなぜ、偶然にすぎない出逢いに「運命」を感じるのか。その瞬間、二人の内面では何が起きているのか―。この問いを手がかりに、ショーペンハウアー、ニーチェ、ドストエフスキー、ヤスパース、ハイデガー、九鬼周造ら、近代理性主義の克服をめざした思想家がくりかえし思索のテーマとしてきた「偶然性」と「運命」の問題に迫る。

目次

1 めぐり逢いの現象学(めぐり逢いの意識;人間存在の時間構造 ほか)
2 偶然性の概念(この問題を発想したきっかけ;“偶然性”のさまざまな意味 ほか)
3 “運命”の思想史(運命の概念の多様性;生と運命 ほか)
4 二つの出逢い(スタヴローギンとマトリョーシャの出逢い;コーリャ・クラソートキンとイリューシャの出逢い ほか)

著者等紹介

木田元[キダゲン]
哲学者、中央大学名誉教授。1928年山形県に生まれる。1953年東北大学文学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

37
《購入本》木田先生の本はどれも分かりやすい。本書は近代哲学であまり問題として立てられることのなかった「偶然」「運命」を正面から取り上げている。これらの問題を語るとき、時間論への言及は避けて通れないが、それさえも明快に解説して、読み手が難解な迷路へ迷い込むことを防いでくれている。過去として忘却されていた体験が、特権的瞬間に 意味を与え直され再構造化されることによって、その偶然が必然に転じ、運命と感じるという言説は非常に明解で腑に落ちた。先日、木田先生の訃報を新聞で知ったが極めて残念だ。ご冥福をお祈りします2014/09/28

テトラ

25
日常において、これは偶然なのか運命なのかと考えることがある。著者も述べていることだが、偶然性や運命についての問いに明確な答えはない。しかし感覚的であれ、これは運命的な出会いだという思いにとらわれる経験を誰しも持っているのではないだろうか。そのような経験のもとでは運命論や決定論に付きものの不自由さや束縛された感じはせず、自らの全ての過去がこの運命的な「出会い」のために自由に選択されてきたかのように意識される。様々な哲学者の思想や文学作品に触れながら展開される本書を通して、偶然性と運命の論の面白さに気付いた。2016/10/31

きいち

20
哲学が言葉遊びじゃなく今僕らが生きてるこの場所と地続きのものだと実感できる、稀有な本。さすが先生。◇偶然とは、自分と他者、その複数の因果の法則が交叉する出来事。それが運命の出逢いになる刹那、新たな未来イメージに基づいて過去の体験が次々と書きかえられ、現在の世界はその成り立ちを変える。◇だから、偶然を味方にするには、片方の自己をとりあえずでも確立し、手元に多様な未来イメージを持って準備すればいい。先生が若い頃にハマったという麻雀でいえば、役をたくさん知っててアガリまでの道筋を描ける人。うん、確かに強そうだ。2013/11/10

禿童子

17
木田元さんの本を読了して思うのは「果たして読んだことになるのか」という疑念だ。人生における運命的な出会い。これは単なる偶然と言い切ってよいのかという問題意識を、九鬼周造『偶然性の問題』を起点として、ハイデガー、ショーペンハウアー、ニーチェ、メルロ=ポンティなどの論考から探る。残念ながら私の思考が追いつかず目が回るだけで後に何も残らない。最後のドストエフスキーの『悪霊』のスタブローギンの告白と『カラマーゾフの兄弟』のコーリャとイリューシャの出逢いが印象的だった。哲学の百万言よりも文学は雄弁だと感じる。2017/06/05

shinano

16
自分の経験からのことを考えつつ読んでいくと納得させられることが多い。著者の哲学者として培ってきた意見や論考を書きまとめた本ではなく、著者が研究対象としてきた哲学者たちの「偶然性と必然性」「運命と認識するその意識過程」「めぐり逢いを自分にとって、偶然か必然かと認識する際の時間(未来・現在・過去)の捉え方」などを、思想史的・系統的に紹介しまとめたような一冊であった。とくに、難書のハイデガー「存在と時間」、九鬼周造「偶然性の問題」からの引用とその解説からの論考は一般人にも判り易く書いてくれていると思えた。2011/05/12

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