岩波新書
私とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 199p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004306641
  • NDC分類 114
  • Cコード C0210

出版社内容情報

「私」とはどういう存在か.自分しか眼に入らず自身に閉じられた場合,あるいは自分を見失った状態,そして自分を無にして「他者」に開かれた場合.西田,漱石,ルターなど東西の例を検証しつつ,問題の核心に迫る.

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

15
私について、みんなが好き勝手言ってたけど、私は私。私の世界でみんなが生きている。私が死んだら、終わり。終わりの始まり。次の私がいる。私がいて、私がいなくて、私しかいない。私の世界で生きている。2024/07/17

うえ

6
「ブーバーにおける根本思想の原点は、「人間存在の原本的事実は人間と共にある人間」ということ…この「と共に」は、個人にも全体にも還元され得ない独特の事態…その独自性を把握するためには、個でもなく全体でもない第三の範疇を必要とする。そこでブーバーは…『間』という基本語を提出する。それは…向かい合っている当の双方によってのみ…双方からの向かい合いとしてのみ開かれる主体的な場であり、それゆえにブーバーは我と汝と言う」「西田の根本的考えは…「私は汝に対することによって私であり、汝は私に対することによって汝である」」2021/06/08

amanon

3
帯に掲載されている言葉が示唆する通り、哲学的エッセイという趣が強い。そのためか、直接に哲学者を扱った章より、禅や山頭火、尾崎放哉といった歌人を扱った章の方が個人的には興味深く読めた。特に座禅から見た我を論じた「立って『我』」の章は、普段我々が何気なく行っている「座る」という行為について、虚を突かれるような気づきを与えてくれた。また、漱石を扱った最終章では、近代的自我のあり方と正面から取り組んできた漱石の苦悩を改めて垣間見ることに。特に『道草』を扱ったごく短いくだりで言及された人間のエゴは非常に重い。2014/10/16

菊田和弘

2
再読。私とは何かの「何か」は、自分が、自分を忘れて、何かに身を打ち込んではじめて自ずとできてくるものだ、という言葉にいたく感銘を受ける。夢中になれるものを、もっと大事にしたいと思います。また、アイデンティティの混乱や、精神衛生的に問題を抱えている人たちにも助けになると思うのでおすすめです。私は、私ならずして、私である。一連の運動が「私」でした。夫の収入で何不自由なく東京で暮らしていた女性が鬱病で苦しみ、実家に帰って雪かきをしていたらいつの間にか鬱病がなくなっていたという聞いた話も思い出しました。2016/07/21

てんちゃん

2
私は、私ならずして、私である。自我・自意識と自己・自覚。自分として言うべきことは言いつつ、相手の言うことを聞き、周囲に自分を開く。個と個の絶対的な独立と、徹底的な相互依存の相即。ラグビーのone for all, all for one の精神と同じであろうか。確かに、野球にしても、サッカーにしても、強いチームは、奉公滅私型ではなく、個も輝いている。2015/12/25

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