出版社内容情報
中世に日本神話が創造されていた.中世の神道書には,記紀神話とは別の神話的世界がある.「国生み」「天孫降臨」などの物語が,未知の神々をキャスティングしてどのように変奏されたのか.中世びとが構想した神話空間への誘い.
内容説明
伊勢神宮外宮に祀られる豊受大神。イザナギ・イザナミが国生みで使った天の瓊矛。この記紀神話に登場しない神と国生みの呪具を主人公にして、「天地開闢」「国生み」「天孫降臨」の物語が中世的変容を遂げる!中世神話創造の謎を解くスリリングな文献探究。
目次
序章 中世神話への招待
第1章 屹立する水の神(中世の開闢神話;御饌の神から開闢神へ;水徳の神=豊受大神の成立)
第2章 天の瓊矛と葦の葉(大日如来の印文神話;天の瓊矛のシンボリズム;葦の老王の物語;地主の神と今来の神)
第3章 降臨する杵の王(稲の王から杵の王へ;天の瓊矛とその行方;猿田彦大神と大田命)
終章 伝世されなかった神器