出版社内容情報
『クレーヴの奥方』『危険な関係』『カルメン』『感情教育』『シェリ』をとりあげ,手紙や寝室の機能,プライヴァシーの成立などを歴史的にあとづけながら,作品の背後に広がる時代と,絶妙な心理描写の関係を読み解く.
内容説明
恋愛はいかに書かれてきたのか。「明晰な心理描写」を伝統とする名作群から、『クレーヴの奥方』『危険な関係』『カルメン』『感情教育』『シェリ』をとりあげ、サロン、手紙、寝室の機能、プライヴァシーやジェンダーの成り立ちなど、作品の背後に広がる時代と、そこを源泉とする感情やふるまいの描写の妙を教える、新鮮な古典案内。
目次
1 『クレーヴの奥方』―ラファイエット夫人
2 『危険な関係』―ショデルロ・ド・ラクロ
3 『カルメン』―プロスペール・メリメ
4 『感情教育』―ギュスターヴ・フローベール
5 『シェリ』―コレット
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
meg
17
「シェリ」の翻訳をされた工藤庸子著作。フランス文学の五作品を例に挙げ垣間見れる恋愛をみる。 恋愛といっても形にとらわれるはずもなく、自由奔放な読み心地が良い。文学は古典がやはり強いのには納得する。2024/01/19
1.3manen
12
ノルベルト・エリアス『宮廷社会』1975年、J-M・アポストリデス『機械としての王』1981年 を覚えておきたい(25頁)。18世紀に市民階級の裕福な家庭のなかで、初めて個室での黙読という習慣が定着してくという(73頁)。ゲームやっててはいけないな、特に、10代の若者は。近代市民社会の家族制度は、財産制度と不可分の神聖な価値を構成するという(132頁)。家族制度と父権を基盤とする市民社会秩序が軋むと、男らしさの価値が下落、性差の再編成となりかねない(197頁)。読書の習慣に家族の再編。日本社会も再考を。2013/08/20
viola
7
『クレーヴの奥方』『危険な関係』『カルメン』『感情教育』『シェリ』を取り上げ論じたもの。既読2作未読3作。やや冗長気味なところがあるので、頁数を変えずもう1作品足したらちょうどいいボリュームになったかという気がします。後で気づきましたが、岩波の『シェリ』を訳したのがこの著者。これが全く自分には合わなかったので、本書の文体も合わなかったのかも・・・。と言いつつも、内容的には未読作品はとても読みたくなり、著者の着眼点は素晴らしいです。やっぱり文学って一度読んだくらいでは理解できないし、読み落としていますね。2012/10/12
bibliophage
5
『クレーヴの奥方』(恋愛のマナー、覗き見、作者の匿名性)、『危険な関係』(手紙の役割、プライヴァシーと公共性)、『カルメン』(エスニシティと他者性の構図、自由)『感情教育』(家族制度、恋愛と革命のすれ違いと対位法的調和)『シェリ』(裏社交界、性差のゆらぎ)の5作品を取り上げ、説明している。シェリの章で述べられていた「貴族階級の既婚婦人たちは、男性と同等に自分の運命を決定する権利をもっており、(中略)ブルジョワの人妻に比較した場合に、これらのヒロインたちの主体性がきわだつ」と性差の力学の非対称性が前半2作は2016/02/29
ネムル
5
『クレーヴの奥方』~『シェリ』まで。見る・見られる・見せる・覗き見の変容、プライヴァシーの成立など2014/03/28




