出版社内容情報
英雄・豪傑たちが活躍した中国の大地――『三国志』ファンならずとも,一度は訪ねてみたい憧れの地であろう.中国大陸の雄大な風景とそこに生きる中国民衆の表情を精力的に撮影・取材した気鋭の写真家が,カラー写真とエッセイで歴史のロマンを描き出す.旅の魅力に満ちた岩波新書初のカラー版写真集.井波律子「民衆世界の三国志」併載.
内容説明
英雄・豪傑たちが活躍した中国の大地―『三国志』ファンならずとも、一度は訪ねてみたい憧れの地であろう。中国大陸の雄大な風景とそこに生きる中国民衆の表情を精力的に撮影・取材した気鋭の写真家が、カラー写真とエッセイで歴史のロマンを描き出す。旅の魅力に満ちた岩波新書初のカラー版写真集。井波律子「民衆世界の三国志」併載。
目次
1 劉備軍団の登場―河北省〓州
2 中原に鹿を逐う―洛陽・虎牢関・官渡・三門峡
3 曹操の故地―許昌・亳州・開封・臨〓・安陽・徐州
4 武略を伸ぶるの地―襄樊・新野・南陽・沙市
5 長江の戦い―南昌・武漢・赤壁
6 「天府の国」―成都
7 劉備の敗北と死―宜昌・三峡・重慶
8 諸葛孔明の「南蛮征伐」―昆明・大理・麗江・安順
9 英雄争覇の舞台―西安・漢中・五丈原
10 孫権軍団の拠点―南京・蘇州・上海
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
326
筆者は日本の近現代文学の詩人や作家たちの描いた風土を撮り続けてきたフォトジャーナリスト。本書の構成は写真が主体だが、そこに『三国志』のスーパーダイジェストと旅のエッセイが加わる。なにしろ『三国志』の時代からは1800年を経た風景なので、残念ながらよほど思い入れが強くないと、これらの写真から劉備や曹操の面影をそこに見ることはできないだろう。例えば「曹操と袁紹が覇を競った官渡の古戦場」とはいっても、そこにあるのは何の変哲もない中国の農村風景があるだけ、といった場合がほとんどなのだから。2023/01/16
mitei
312
三国志の名場面が繰り広げられた場所の今を写真に収めた1冊。なんというか今の中国に残っている建造物はあまりないんだなと知った。言い伝えられている場所に住んでいる中国人の長閑さは良かったなぁ。20年位前の本なので今はそんな場所も開発されてそう。2016/04/07
Die-Go
42
図書館本。三国志の実像をその風景から想像していくことは、三国志のヘビーなファンでなければ難しいほどに、その時は悠久の流れの中に埋もれている。しかし、確かにそこには英雄達の血が脈々と流れ受け継がれている。一度は行ってみたいが、何せ広い。この様な本で自らを納得させるしかないか。★★★★☆2024/02/15
そり
16
砂舞う地表、煤けた頬、強かな顔付き。乾いてて寂れてて素朴。近代化で中国は様変わりしたので、こういう類の写真はなかなかマイナーなんじゃないか。莫言作品の世界観はおそらくこんな感じなので、見つけることができて良かった。2014/05/17
ジュースの素
8
私は三国志は読んでないので、中国の紀行として読んだ。95年刊なのでかなり古い。 三峡ダムがまだ完成してない頃の本。しかし、中国の田舎の風景はとてもいい。2016/09/21