出版社内容情報
幕末にはじまった首都圏の大地震活動期は,関東大震災(一九二三)をもって終わり,その後,東京圏は世界有数の超過密都市に変貌した.しかし,まもなく再び「大地動乱の時代」を迎えることは確実である.小田原地震が七十年ごとに発生することを明らかにした地震学者がその根拠を明快に説き,東京一極集中の大規模開発に警鐘を鳴らす.
内容説明
幕末にはじまった首都圏の大地震活動期は、関東大震災(一九二三)をもって終わり、その後、東京圏は世界有数の超過密都市に変貌した。しかし、まもなく再び「大地動乱の時代」を迎えることは確実である。小田原地震が七十年ごとに発生することを明らかにした地震学者がその根拠を明快に説き、東京一極集中の大規模開発に警鐘を鳴らす。
目次
第1章 幕末―二つの動乱
第2章 大地の破局
第3章 大地震の正体と原因
第4章 関東・東海地方の大地震発生のしくみ
第5章 ふたたび迫る動乱の時代
第6章 大地動乱の時代をどう迎えるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
97
最近様々な地震関連の本(特に南海トラフ地震)が出版されているようですが、この本は今から30年以上の前でしかも阪神淡路大震災の1年前に出されています。当時予想では、小田原地震なども予測されているようですがまだ起きてはいません。ただその内容はきちんとしていて特に第4章の「関東・東海地方の大地震発生のしくみ」は基本的なことが書かれていてよくわかるようになっています。2024/07/06
佐島楓
25
安政の大地震が連動型のものであったことをこの本で初めて知った。地震発生のメカニズム以外はとても読みやすい本なので、今だからこそ広く読まれてほしい。東日本大震災から引き起こされた一連の地震と過去の地震に共通点が多く、日々の備えをしっかりせねばと身を引き締めた。2014/04/26
壱萬参仟縁
23
安政東海地震による震度と津波分布地図で、木祖村震度5、浜岡でも6(津波高さ6~7、23頁)。この資料があるならば、原発を作れなかったはずだが、どうなのか? 木曽路の馬籠でさえ、人々が外へ飛び出すほどの揺れ。藤村『夜明け前』にも書いてあるとのこと(43頁)。英人J・ミルンが中心になって日本地震学会が世界初誕生(1880年、55頁)。断層のうち、第四紀(約170万年前から現代まで)またはその後期に何度かずれ動いた証拠があるもの(95頁)。2015/10/03
kinkin
23
地学はあまりわからないがとにかく日本は地震の活動モードの真っ只中にいることはよくわかった。江戸安政地震など当時は人口も少ない中でも広範囲にわたり被害があったという。人口過密地帯でこのような地震が発生した場合、想定されるよりずっと被害は大きく復旧も大変だと感じた。福島原発の問題も依然として完全な対策が出来ぬまま他の原発を再稼働することは、とてもリスクの大きい事だと思う。2014/04/17
coolflat
10
日本列島は現在、地震の活動期だから気をつけろ、という本。日本は高度経済成長時代、地震の活動期でなかったので、その恩恵を受けられた。その時代は単に運が良かっただけだということだった。初版は1994年。現在、日本列島は頻繁に各地で地震が起こっている。筆者の予言は正しかったのである。だが筆者の警告する地震の一つ、首都圏直下型地震は未だ発生していない。首都圏直下型地震を予測する上で知っておきたいのは、小田原地震(神奈川県西部地震)である。この地震がM7クラスで発生したら要注意。数年以内に首都圏直下型地震が起こる。2013/01/22