出版社内容情報
EC統合のもとで進む「国境なきヨーロッパ」とそれに反発するナショナリズム.東欧・旧ソ連における「民族の噴出」と「国民国家」化.外国人労働者や移民をめぐる文化摩擦や排斥運動…….統合と分裂が交錯し,複雑な様相を呈する「民族と国家」の構図を国際社会学の視角から分析し,冷戦以後の新しいヨーロッパを展望する.
内容説明
EC統合のもとで進む「国境なきヨーロッパ」とそれに反発するナショナリズム。東欧・旧ソ連における「民族の噴出」と「国民国家」化。外国人労働者や移民をめぐる文化摩擦や排斥運動…。統合と分裂が交錯し、複雑な様相を呈する「民族と国家」の構図を国際社会学の視角から分析し、冷戦以後の新しいヨーロッパを展望する。
目次
序章 新しい現実・新しい方法
第1部 「三空間並存時代」の到来(EC・国家・地域―ヨーロッパの社会空間はどう変わるか;「三空間並存モデル」を応用する;EC統合により国家はどう変わるか)
第2部 並存から新たな緊張へ(「多文化主義」の実現は可能か;移民は「国民国家」と両立するか―同化・統合・編入;ヨーロッパの極右はなぜ台頭するのか;ボーダーレス化のなかの民族問題―二つの「文化」の交錯)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
35
フランスにおける民族問題が書いてあり、興味深く読んだ。結局歴史的に見ても、鬱積してきた不満のバランスが一気に崩れることでとても憂慮すべき事態になる可能性はあるのだろうと思う。一般的な日本人にはわかりづらいことだけれど、だからこそ理解しようと努力をしたい。2015/02/24
Takao
3
1993年11月22日発行(1995年11月6日、第6刷)。発行から25年経たが、本書で取り上げられている問題は、決して過去の問題ではない。欧州統合により、従来の「国民国家」の位置が低下し、「国民国家」に対して分離・独立などを主張してきた地域・民族は「独立」する意味を失っている。当時の記憶を辿ると、薔薇色に見えた欧州統合はデンマークでは一旦は否決され、フランスでも僅差であった。イギリスのEU離脱などの動きはすでにその芽がこの時期にあったこともわかった。大変勉強になった本である。2019/02/12
rbyawa
1
アマゾンのレビュー(2003年のもの)がそれ自体は真摯な内容であるものの2010年時点で正直なんの話だったんだろうとわからなくなっている時点でむしろ、この手の本の難しさを感じてしまったのですけれども、ある意味でこちらはこちらで起こったことを淡々と記述しているので完全に古びてしまうということもないのでしょう、「そう上手くは運ばなかった」ことはもちろんありますけどね、今見直してみても、やっぱり小国の意識なんかは納得がいくものがあるし。ただ、EU(現在)が外部の争いに有効な手法かと言うと楽観的すぎるかなw2010/05/02
たかゆじ@石原プロは永遠だ!!!
0
フランスの変革、民族問題が特に興味深かった。今のヨーロッパ内でもフランスはどこか浮いているのはこの民族性のせいか・・?2024/04/03