出版社内容情報
図形の判読や文章の翻訳までもなしうる機械,人工知能とはどのようなものだろうか.その原理を探るなかから,これまで哲学で抽象的に論じられてきた人間の知的活動のしくみが明らかになってきた.三十年余にわたりパイオニアとして研究を続けてきた著者が,人工知能の可能性と限界を語り,直観や価値観をもつ人間の知性との違いを考える.
内容説明
図形の判読や文章の翻訳までもなしうる機械、人工知能とはどのようなものだろうか。その原理を探ってゆくと、これまで哲学で抽象的に論じられてきた人間の知的活動のしくみが明らかになってくる。三十年余りにわたりパイオニアとして研究を続けてきた著者が、人工知能の可能性と限界を語り、直観や価値観をもつ人間の知性との違いを考える。
目次
第1章 コンピュータができること
第2章 認識への挑戦
第3章 言葉への挑戦
第4章 理解することへの挑戦
第5章 人工知能と哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
4
人工知能といかにも理科系の分野であるがその実、人間の認識や思考など哲学の分野とも関わっている。2014/04/27
まつ
3
長時間電車に乗る機会があったのでいつも読まない分野を読んでみた。著者は人工知能の学者で、1992年に本書は出版されている。まず人工知能の研究が1950年代から始まっていたことに驚いた。また、今回読んでみて人工知能の研究が数学、言語学、哲学など多岐に渡るものであることに今更ながら気付いた。最終的には倫理学、道徳的な話になり困惑。本書が書かれてから30年以上経っているが、やはり人間の心を持った人工知能はないだろう。そもそも、脳科学や精神科学、心理学も未開の領域があり、さらに人は自分すら完全には理解しきれない。2025/02/26
takao
2
ふむ2024/04/12
Mariyudu
1
先ごろ文化勲章を受章した著者の'92年の著を、断捨離に伴い再読。エンジニアリングにはさほど触れず、哲学的な視座で(些か散文的に)人工知能への取り組みの数々を俯瞰するという趣は、いかにも岩波。「ぶっちゃけ人工知能ってどうなの?」と wktk で頁を捲った読者には、「やっぱり現実って厳しいよね…」という寂しい読後感になるだろう。卒研時代に氏の著作にお世話になった身なので、「悪いのは編集者であって長尾先生は悪くありませんから!」と叫んでみるテスト。2018/12/23
Matsui Kazuhiro
1
パーセプトロンなど、最近習ったワードが多くて興味深かった. #652013/06/16