出版社内容情報
東ドイツ市民の国外大量流出,「壁」のあっけない崩壊,そして初の自由選挙から東西ドイツの統一へ――一九八九年夏以降の目まぐるしい展開の陰に何があるか.ゴルバチョフ,ブッシュ,さらにモドロウ,コールらの政略は? ナチス時代から今日までヨーロッパの激動を現地に追ってきた著者が,眼前のドラマの表と裏をつぶさに報告する.
内容説明
東ドイツ市民の国外大量流出、「壁」のあっけない崩壊、そして初の自由選挙から東西ドイツの統一へ―1989年夏以降の目まぐるしい展開の陰に何があるか。ゴルバチョフ、ブッシュ、さらにモドロウ、コールらの政略は?ナチス時代から今日までヨーロッパの激動を現地に追ってきた著者が、眼前のドラマの表と裏をつぶさに報告する。
目次
第1章 ハンガリー西部国境
第2章 ゴルビー来たり、去る
第3章 壁の崩れた夜
第4章 マルタ・サミット
第5章 革命の内と外(謎の賠償;仏独枢軸くもる)
第6章 コールの黒星、コールの粘り
第7章 その後に来たるもの(勝利者コール;「超大国」の退場)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
40
初版1990年5月。まだ「ソビエト」が存在した頃。タイトルはベルリンであり、主となる視点は東ドイツからのものであるが、あの真白な空と雪に染まる地の何と寒々しいことか。「ソビエトも生き続けるためには゛手かせ足かせ”をかなぐり捨てなければ置去りを食ってしまう」「情報伝達の嘘のような速さがもたらす現実把握の食い違いは今後ますます大きくなる」ゴルバチョフとブッシュが笑って平和を口にした日から33年。ソビエトは滅び冷戦は終わった。そして数々の悔恨を火種として世界は再び超大国を中心に歴史の転換期を迎えようとしている。2022/12/05
白河清風
6
戦後75年経ちますが、最大の転換点は1989年だと思います。日本では昭和が終焉を迎えるとともに戦後の目覚しい経済の最後の年となりました。ヨーロッパでは、共産主義政権が相次いで崩壊し冷戦の終結を迎えました。その中でも一番衝撃が大きかったのはベルリンの壁の崩壊です。当本はベルリンの壁崩壊の前夜から東ドイツの西ドイツへの併合をわずか一年でやり遂げたコール首相の功績に的を絞って論じます。見事な併合劇でしたが、ソ連との賠償交渉の結果や併合直後の財政の状況等も併せて論じてくれればもっと内容も豊かになったと思いました。2020/05/24
takao
3
ふむ2024/06/25
ナジィ
1
今となっては教科書の出来事だが、当時の緊迫した状況がよく分かる一冊。2016/01/25
みなかみ
0
東から西への出口となったハンガリーのバラトン湖周辺の当時の出来事から、東西ドイツの再統一までを追った書籍。また、再統一に向かう西ドイツとEC諸国や東欧世界(ハンガリー・ポーランド)の動き、更には米ソ首脳会談を纏めてある。個人的に気になったのは、ECが統一後のドイツを抑える首輪になるだろうとフランスのミッテランが言っていた事。今はEUとなったが、そのドイツに支えられている形になる欧州を予見した人はいたのだろうか。2012/04/05