出版社内容情報
「四谷怪談」のお岩,「牡丹灯籠」のお露など世にも恐しい怨霊として登場する怪談の主人公たち,幽霊.こうした幽霊の姿はいつごろ生まれ,どのように日本人の心の中に定着していったのだろうか.本書は,日本と中国の他界観の交流を跡づけながら,日本人独特の他界観の形成を見ることで,日本人の現世観をも鏡にうつし出す.
内容説明
「四谷怪談」のお岩、「牡丹灯籠」のお露など世にも恐ろしい怨霊として登場する怪談の主人公たち、幽霊。こうした幽霊の姿はいつごろ生まれ、どのように日本人の心の中に定着していったのだろうか。本書は、日本と中国の他界観の交流を跡づけながら、日本人独特の他界観の形成を見ることで、日本人の現世観をも鏡にうつし出す。
目次
1 幽霊とは何か(幽霊と妖怪;異界と他界)
2 幽霊の誕生(幽霊出現の三要件;日本人の他界観;祖霊信仰;アニミズム;仏像と火葬;夢―もう一つの幽霊出現のルート)
3 日中他界観の交流(日中冥婚の系譜;日中の冥婚習俗;中国人の他界観;中国人の他界観と道教・仏教)
4 幽霊の怨霊化(仏教の地獄;御霊信仰)
5 中世の幽霊(修羅の妄執;中有の観念)
6 近世の幽霊(幽霊の足;近世人の幽霊観;近世幽霊譚の演出家たち)
現世を反映する他界―結びに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハルバル
6
最近は怪談好きが高じて幽霊にハマってきているので、積ん読していたずいぶん昔の新書を引っ張り出して読んでみた。実は幽霊について漠然たるイメージだけでなんにも知らなかったんだなぁと反省。そして今抱く幽霊のイメージはどこからきたのかとか、実は幽霊と妖怪は明確に区別できない存在だとか、元々は祖霊信仰といってご先祖の霊を敬い、その代わりに恩を授けてくれるありがたい存在だったのが、仏教の地獄の観念が広まるにつれ、そこからくる幽霊もまた恐ろしい存在に変化していったなど、目から鱗な指摘が多くて色々と勉強になります。2017/10/26
Gen Kato
3
日本の、というよりその原話である中国の幽霊談が多く紹介されている。取り込まれた途端、あらゆる意味で日本化された再話になるのが何とも興味深い。2015/09/16
くす
1
幽霊の文化や歴史について書かれた本。心霊番組など眉唾物の心霊動画や学生で学んだ古典漢文にも幽霊譚はあるが、幽霊について書かれた本は珍しいように思える。アニミズム時代や仏教が日本人の幽霊観に与えた影響など記載が多く興味深かった。印象的だったのは足のない幽霊のイメージは江戸時代の頃ということで、たしかにキョンシーや欧米の幽霊には足があるらしいことを聞いていたので自分が当たり前と思っていることも文化的背景があるのだと感じた。2020/02/15
うえ
1
妖怪は場所に幽霊は人に現れる。しかし皿屋敷のように(中世の能など)土地に執着するものも「死出の山越えぬる人のわびしきは恋しき人に逢わぬなりけり」2012/12/20
葉子
1
図書館から。幽霊と妖怪の違い、怨霊がどうやってできたか、現在の幽霊観が出来上がるまでが丁寧に書かれている。特に怨霊の下りは面白かった。2011/01/07




