出版社内容情報
食卓の名脇役,漬物.食品低塩化の流れの中で,今や新技術による低塩の「新つけもの」がほとんどになった.本書は,野沢菜,たくあんをはじめ実に多彩な漬物について,製法,由来,風土との関わり,おいしい食べ方などを紹介する.全国各地の特産品,良い商品を見分けるポイント,家庭で漬けるコツなどの実用情報も豊富に収める.
内容説明
食卓の名脇役、漬物。食品低塩化の流れの中で、今や新技術による低温の「新つけもの」がほとんどになった。本書は、野沢菜、たくあんをはじめ実に多彩な漬物について、製法、由来、風土との関わり、おいしい食べ方などを紹介する。全国各地の特産品、良い商品を見分けるポイント、家庭で漬けるコツなどの実用情報も豊富に収める。
目次
野菜素材の味で、菜漬けの魅力
健康食品に戻る梅漬け、梅干し
史上最高の味、たくあん
日本固有の漬物、スポンジ漬物
明るさが売り物、醤油漬け
甘さかうまさが重要、日本の酢漬け
スパイス漬物の台頭
発酵漬物、まだ遠い道のり
お新香から調味浅漬けへ
斜陽の漬物、新興の漬物〔ほか〕
著者等紹介
前田安彦[マエダヤスヒコ]
1931年東京に生まれる。1951年宇都宮大学農林専門学校農芸化学科卒業。東京大学農学部技官・助手、宇都宮大学教授を経て、宇都宮大学名誉教授。全日本漬物協同組合常任顧問。専攻、食品化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちも
12
かなり、ショッキングでセンセーショナルだ。 この本によると、食生活の低塩化がすすんだ為に、昭和30年以降から漬物は全く新しいものに変わったとあり。正倉院文書には8世紀ごろから漬物の記録があり、その1200年あまりの歴史の中で完成された「伝統漬物」はほとんど姿を変えたという。全くの伝統技法でつくられているのは「すぐき」ただ一つであるというから驚きだ。京都の漬物は、ほとんど調味料漬けなのはそういう訳か。2022/01/28
kenitirokikuti
6
図書館にて。小泉武夫の発酵ものみたいな本かと思って手にしたのだが、新・漬物考ではなく、「新つけもの(≠伝統漬物)」考なのであった。別の本で得た知見だが、食品添加物を減らそうという動きは、まず塩分のことを言っているのである。そういや、塩鮭って塩辛かったなぁ…▲昭和の半ば、プラスチック包装・加熱殺菌・冷蔵庫など減塩した新つけものが生産できるようになった。しかし、それは塩味が薄くなるということであり、薄味化を補うため、スパイス系の辛さが足されていった。なるほど、激辛ブームにはそういう背景もあったのか!2021/10/02
かりんとー
5
高校生の頃に読んだ本。 なんでこんな本読んだのだろうと今更疑問に思う。多分何か新しい知識を身につけたかったんだろうと思うけど 別に全然漬物好きにもなってないし。 まったくの謎読書です。
かもすぱ
4
「新つけもの」についての本(1989年)。じゃあ旧つけものって何かというと、伝統的な製法の保存食料としての漬物で、塩漬けの場合はとんでもなく塩分が高い。食品技術の進歩(冷蔵・殺菌・化学調味料)で低塩化・流通に成功、野菜の美味さを生かした嗜好品になったのでいろんな種類の新つけものを紹介しますという本。単純に話がおもしろいし、各地の美味そうなつけものの話ばっかりなのでおすすめです。2016/09/17
tegi
2
「新・つけもの考」じゃなく「新つけもの・考」で、えっ新つけものって何、と思いながら読む。35年前のこの書ですら古いものとされていたかつての日本のつけもの、今はもう多くの人の記憶から消えているのだろうな…。軽快な文章によって伝わってくる新旧のつけものの差異を頭の中で妄想しながらスーパーや観光地のつけもの売り場を歩くと、風景が変わって見える。読んでよかった。2023/02/17