岩波新書
性の源をさぐる - ゾウリムシの世界

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004203452
  • NDC分類 467.3
  • Cコード C0245

出版社内容情報

男と女,オスとメス,おしべとめしべ――私たちの知っている「性」は常にペアの世界だ.ところが,ゾウリムシの仲間には何と四種類,八種類の性をもつものがいる.n個の性の営みとは一体どんなものなのだろうか.四○年の著者の研究史を語りながら,「性とは何か」という永遠の問に答えようとする本書は,性の常識への挑戦でもある.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

6
ゾウリムシの研究を通して、生物の性の根源に迫る。著者の大学時代の研究テーマ選びから、研究者として40年間過ごした個人の研究史でもある。「研究のメイン・ストリートを勝利を競ってつっ走るのではなく、あまり人の通らない研究の脇道を著者とともに歩きながら、路傍の草花を楽しんでいただければ、望外の喜びである」とあとがきで述べるが、実に気取らない穏やかな人柄がうかがえる。文章も時にユーモアを交え、堅苦しくならないように書いている。アメリカでの研究の記述は、藤原正彦『若き数学者のアメリカ』にみえる溌剌さを彷彿させた。2015/01/16

Yasomi Mori

1
生物にとって「性」とは、種の多様性を基礎づけるものである。また雌と雄の二種類には限定されず、生殖とは直接関係がない生物も存在する(性=生殖、ではない)。——以下、面白かった点メモ:《老化が起こる前なら、性は老化の救い主になるが、老化が起こってしまえば役に立たない》《動物の一番動物らしい点は、生殖系と栄養系がはっきり分離していて、しかも、内因性のエイジングと寿命をもっていること》《科学で答えられるのは〔Why?ではなく、〕How?という問いだけである(クロード・ベルナール)》2015/04/05

ジェームス

0
1986年刊。研究の内容はさらにそこから40年を遡るゾウリムシなどの繊毛虫の研究史が本書のコンテンツである。急速に進む生物学の分野において、誰もが最新の教科書で事実だけを俯瞰したくなるものだが、生物学の成立過程を知っておくのも非常に面白い。「性」についての著者の考えは最終章にて。研究モデルとしてマイナーになった原生生物の可能性を舐めていると思わぬパンチをもらうことになる。「性」の常識を揺るがしてくれる刺激的な本である。高校生物まで修めた人なら理解しやすいと思う。2014/01/24

Junichi Kitazawa

0
この人の研究過程も面白いのだけど、期待したのはそれじゃないんだよなー2013/05/16

0
Y-202006/07/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/77898
  • ご注意事項

最近チェックした商品