出版社内容情報
一九二四年,小作地一斉返還という独創的戦術で勝利した南畑小作争議.これを契機に一人の農民詩人は弾圧下の農民運動にとびこみ,多くの人びとと運命的に出会う.また,戦後は農民と市民をつなぐ文化・社会運動でユニークな役割を果してきた.いま『農民哀史』の著者が,鮮烈な今日的問題意識の下に激動の八十年の体験を情熱こめて語る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
11
著者の詩集では、「人間が金に いのちを 取られてしまったんだなあ」(ⅰ頁)とある。今も、そのままである。おやじの農民哲学は、学者は死ねば終わりだが、土地は残る、と(40頁)。著作物は残るとしても。「野良での話」という木彫の版画は凄い(51頁)。ごっついのだが、生きている実感を感じる作品だ。隣保共助の精神、もやい(傍点)で保つ自発的連帯(89頁)。みんなが貧しいのでできる話だが、今は向こう三軒両隣は格差ありすぎだから、無理な話だ。農民自治会とは、学歴の特権をもたぬ集団(99頁)。長野県が最多(100頁)。2013/08/07
kenitirokikuti
6
高度成長期以後の部分から。「兼業農家の生活」〈Sさんの水田は現在四反、農作業はほとんど土曜日曜だけ。コンバインなどの大型農業機械は三軒で共同購入して日を決めて利用している。…米作りは…省力化がすごく進んでいて、日曜百姓でもやっていける。それでいて…反収七俵、小作争議当時の倍ほどに増えているんです。〉近所でキャンピングカーの共同購入の案内を見た。これだな…2017/09/24
丰
0
Y-202006/05/21
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