岩波新書
色好みの構造 - 王朝文化の深層

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004203193
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C0295

出版社内容情報

さまざまな身分の多くの女性たちと次々に交渉をかさねる光源氏の行状は,現在の通念からすれば「乱脈」かつ「不道徳」であるが,当時の教養人たちはこの主人公を「色好み」の美学を体現した理想の人物と見,行動の手本としたのであった――『源氏物語』を頂点とする平安王朝文学のなかに「色好み」の諸相と,その理念の変遷をさぐる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くり坊

4
本書の第4章「『色好み』の思想的背景」に真言宗の「理趣経」に関する考察が為されていたことが、当然と云えば当然、白眉といえば、白眉であった。本文から引用すれは「この天台、真言の同時に支配した平安時代において、政治のような国事がもっぱら男性の手に握られていたのは、天台思想と照応しようし、一方、「色好み」の平等な男女の平等な交際の背後にあったのは、真言の含む性思想であったといえようか。」(110頁)とあり、これより詳細に引用すれば「ネタバレ」になってしまうので、以下、コメント欄に引用を続けたいと思います。2024/11/10

しずかな午後

2
時代や国ごとに多様な愛の表現があったとする序章、そこから『源氏』『枕草子』を扱う第三章までは本当に面白い。作品に対する評価の歴史的な変遷を視野に入れているのも誠実だ。しかし、源氏以降の物語を扱った第五章がひどい。『狭衣』は「神経衰弱」、『寝覚め』は「偏執狂」、『浜松中納言』は「現実逃避」、『とりかへやばや』にいたっては「ソドムとゴモラのデカダンスの地獄」と言われる。よくもまあここまで「悪口」が言えるものだ。筆者の得意げな調子とあいまって読んでいて気分が悪くなった。2020/05/28

はちめ

2
源氏物語についてはやや「色好み」的に理想化し過ぎていると思う。紫式部の源氏や薫の描き方からして、そんなに美しいものではなかったと思う。ただそれが後の世に退廃的になって行くというのはその通りだろう。2015/06/04

linbose

0
★★★★★2013/12/25

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