出版社内容情報
被爆国は日本だけではなかった.核超大国アメリカもまた恐るべき核被害大国であった.自宅の真ん前に大量の核廃棄物を棄てられた市民,核実験でモルモットにされた兵士,核実験場ネバダの風下住民,ウラン鉱の開発に駆り出されたインディアン…….アメリカの核兵器開発の裏面に迫り,ガンに苦しみながら闘うヒバクシャたちの姿を描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
13
ネバダや南太平洋による被曝ではなく、マンハッタン計画における核廃棄物由来の被曝がメイン。マンハッタン計画=軍事機密という事が事をより深刻にしている。軍事機密を理由に核廃棄物の廃棄場所の行方は公開されず、ある日突然、市民が異常を知り、調べてみると自宅の真ん中に大量の核廃棄物が投棄されているのがわかったという例さえあったと。また現在の日本と重なるのは自国民に対する補償がなきに等しい事だろう。米国政府は第五福竜丸やマーシャル諸島の被災に対しては金を支払ったが、自国民に対しての補償要求を頑なとしてはねつけたと言う2015/11/14