出版社内容情報
在野独立のキリスト者・思想家として生涯を貫いた内村鑑三.その思想と信仰は,物質主義の汚濁にまみれた現代文明に対する根源的な批判として,今なお私たちに新鮮な問題を提起してやまない.本書は,内村が日本近代思想史の上に残した足跡をたどるとともに,内面の迷いや悩みにも分け入って,彼の人間的魅力の秘密を明らかにする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズツキ
6
新書として良く出来ているが、それ故に内村鑑三の限界を知ってしまったような気も。社会主義者の福田英子を拒絶したように容易に他者に迎合しなかった点はしっかり軸を置いていたようだが。直前に読んだカール・シュミットの指摘が本質をついていた感がある。2016/05/20
田蛙澄
3
内村鑑三の伝記的事実と思想内容の変遷が非常にコンパクトにまとまっていてよかった。特に再臨運動後に行動主義が薄まったと言うあたりはなるほどなと思った。2018/03/05
sk
3
とにかく波瀾万丈な生涯。こういう苦労人が日本を作って来たのだ。2015/02/07
本命@ふまにたす
2
内村の簡潔な評伝。比較的落ち着いた書きぶりで、その人生と信仰、そして著作について語る。割と客観的で淡々と書かれているのは賛否がわかれそう。2021/06/28