出版社内容情報
七色の光を放って妖しく人を魅惑する宝石は,最近のめざましい地球科学の発展により,実は地球の内部構造について豊富な情報をもつ鉱物であることがわかってきた.著者は,ダイヤモンドやエメラルド,ルビーなど代表的な宝石の生成の秘密を明らかにして,これらの小さな石が示す地球内部でおこっている壮大なドラマを再現する.
内容説明
七色の光を放って妖しく人を魅惑する宝石は、最近のめざましい地球科学の発展により、実は地球の内部構造について豊富な情報をもつ鉱物であることがわかってきた。著者は、ダイヤモンドやエメラルド、ルビーなど代表的な宝石の生成の秘密を明らかにして、これらの小さな石が示す地球内部でおこっている壮大なドラマを再現する。
目次
第1章 宝石と人間―その魅力の源泉
第2章 天然宝石―生成の場所・美しさの秘密
第3章 模造宝石・処理宝石―化粧なおしの仕掛け
第4章 合成宝石・人工宝石―現代の錬金術
第5章 ダイヤモンド―地下からの手紙
第6章 エメラルドからトルコ石まで―生いたちがきめる価値
著者等紹介
砂川一郎[スナガワイチロウ]
1924年東京に生まれる。1947年東北大学理学部卒業。専攻、鉱物学・結晶成長学・宝石学。東北大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
8
宝石について歴史から人類の人工宝石への挑戦、特にダイヤモンドの合成をめぐる物語が興味深かった。科学的分析や図表を使い、かなり専門的な知識を与えてくれる。写真がカラーでないのが少し残念。採掘された全ダイヤモンド中、宝石用として使える割合はせいぜい4分の1で、残りはすべて工業用に回されている。ただし価格ではこの関係は逆になり、総額の5分の4が宝石用原石の売り上げ高だという。翡翠には軟玉と硬玉があり、値段は硬玉の方が断然高い。主な産地はミャンマーのカチン州。以前ラオスのルアンパバーンに行った際、お土産に買った。2015/01/15
S_Tomo🇺🇦🇯🇵
2
宝石と呼ばれる鉱石について、その人間との関わりの歴史や利用法、そして、より見映えのするものにするための宝石への加工や宝石そのものを人間が作り出す手法、そして最後にはこの大地が宝石を作り出す仕組みについて語る一冊。特にダイヤモンドの生成についてはかなりのページを割いており、単純に炭素を高圧で圧縮すればできるものではない事がわかる。あと30年ほど前に書かれた本なので、ロシアではなくソ連であるのが、宝石たちの永久の輝きに比べ、人の世の変わり様の早いことがよくわかる(笑)2014/09/21
1484h
1
35年前の本だが、(さすがにやや古い内容も一部あるけど) 今でも読み応えある良書。特にダイヤモンドについての説明が詳しい。2018/04/10
つづりさん
0
鉱物と宝石についての本。とても面白かった。鉱物は分類、構造、発色、成因、結晶成長、産地などについて、宝石はカット、模造品、処理宝石、合成宝石、人口宝石についてを歴史も交えつつ、結晶学、地球科学的に説明してある。ダイヤモンドの話が多め(それはそう)。とにかく情報量が多く、実際の単結晶合成プロセスの話まで書いてあってすごい。FZ法に触れてなかったり半導体としてのダイヤモンドの話やタウソン石に触れないあたりに出版年を見てなるほどとなったが(地学方面はわからない)、面白さは色褪せないことだなあと思った。2014/06/05
丰
0
Y-202003/11/24