出版社内容情報
女神ヘラの乳房からほとばしる一条の乳の道――天の河の伝説に代表されるように,母乳は古来母性愛の象徴であった.しかし現在,人工栄養の発達によって,母乳だけで育てられる乳児は年ごとに少なくなってきている.母乳と人工乳の違い,母乳と免疫,母と子の絆を結ぶ授乳の役割等を説いて,小児科医の立場から現代の子育てを批判する.
内容説明
女神ヘラの乳房からほとばしる一条の乳の道―。天の河の伝説に代表されるように、母乳は古来母性愛の象徴であった。しかし現在、人工栄養の発達によって、母乳だけで育てられる乳児は年ごとに少なくなってきている。母乳と人工乳の違い、母乳と免疫、母と子の絆を結ぶ授乳の役割等を説いて、小児科医の立場から現代の子育でを批判する。
目次
1 母乳の自然史
2 母乳と語り伝え
3 母乳哺育の衰退
4 乳房の形としくみ
5 母乳、造物主の贈り物
6 母乳栄養の実際―若いお母さんのために
結びにかえて―母乳と社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
図書館にて。鹿野政直『婦人・女性・おんな 女性史の問い(岩波新書 新赤版58、1989) Ⅱ 女性史を見なおす 2 母性の論理 〈だが近年、この母子関係への闖入者があらわれてきました。人工栄養で、それによって女性が母乳を与えることから解放されたという考え方です。山本高治郎『母乳』(岩波新書、一九八三年)は、そうした考えかたに警告を発する本でした。〉鹿野は山本の考えを評価するが、しかし、母性の聖化が推し進められるとき〈そのような関係をもちえない母子への排除としてはたらくことも、否定できないところです。〉2021/10/12
m!wa
1
タイトルはひねりなし!母乳について書かれている本です。どんなホルモンが影響して母乳を作るかとか、人乳と牛乳のちがいとか書かれていました。自分が赤ちゃんだった記憶はないけれども、自分が母親になってみて子供に授乳するともう、間違いなく人間は哺乳類って感じます。妊娠、出産、子育てっていうのは、動物的な行為であり、母乳を使って育てるってのは自然なことと思います。母乳がどうしても出ないとか、母子感染が疑われる場合はしょうがないけれども、母乳を与えるのがめんどくさいって理由で人工乳に切り替えるのはもったいないです。2014/07/18
薔薇喰い姫
0
最近増えてるとある難病のの原因の一つが牛乳というのが既に30年前に(仮説だけど)書かれて衝撃。2013/12/19
丰
0
Y-202003/05/24