出版社内容情報
人間にもっとも近い類人猿の一つゴリラは,いまや絶滅に瀕しつつある.ゴリラが住む森のなかには,アフリカ大陸最古の民族であるピグミー族が原始的な狩猟採集の生活を送っていた.日本ザルの研究者として知られる著者が,一九五八,六○年の二度にわたり,アフリカ奥地にゴリラを追跡し,ピグミー族と生活を共にした貴重な記録.
内容説明
人間にもっとも近い類人猿の一つゴリラは、いまや絶滅に瀕しつつある。ゴリラが住む森のなかには、アフリカ大陸最古の民族であるピグミー族が原始的な狩猟採集の生活を送っていた。日本ザルの研究者として知られる著者が、一九五八、六〇年の二度にわたり、アフリカ奥地にゴリラを追跡し、ピグミー族と生活を共にした貴重な記録。
目次
1 人猿の国
2 動乱のコンゴをのぞく
3 入らずの森に入る
4 ゴリラを追って
5 秘境アカゲジブイヨレレ
6 森の中の小さな猟人たち
7 森を出てサバンナへ
8 タンガニイカの旅
著者等紹介
伊谷純一郎[イタニジュンイチロウ]
1926‐2001年。専攻、人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カネコ
3
◎ 1960年のアフリカ探査行記録。コンゴ動乱により当初の目的地へ入れなかった為、ゴリラの調査は不調であったが、書名にある通り、現地ガイドに雇ったピグミーの人たちの生活が興味深い。現在の感覚からするといささか乱暴な著者の言動に時代の空気を感じるが、気品あるゴリラ、がらの悪いチンパンジー、そしてさらにがらの悪いのが人類であろうといった、フィールドワークから導き出される想念は深いものがあると思う。ゴリラの「気品」はそのまま「憂愁」へとつながるのであるが。2009/07/14
ぴぴこ
1
1960年代のアフリカでゴリラとチンパンジーを追った記録。フィールドワーク系の新書ははじめて読んだが、まるで一緒に旅路を追うかのような臨場感が面白い。時代も国境も飛び越えて、当時の冒険譚をありありと想像させてくれる血の通った文章が、非常に読みやすく楽しかった。
orangepelican
1
1961年とずいぶん古い本ですが、内容は非常に読み応えがあり面白かった。アフリカにおける、ゴリラやチンパンジーに関するフィールドワークの記録と言うか紀行文のような形。自然に関する記述もおもしろいですが、現地人とのやりとりなんかも読んでいてけっこうおもしろい。今よりもずっと不便だっただろう時代に、この場所でこの調査をやって、このような一般向けの書籍も出した、いや、すごいことだと思う。冒険系の読み物やアフリカの自然に興味がある方にはお勧めです。2016/08/21
馬耳抜
1
何ルン滞在記みたいな湿っぽさ皆無。カラッとして男っぽい紀行文。
クロスリバーゴリラ
0
ゴリラの調査記録というよりアフリカ紀行文という内容の一冊。ゴリラの記述は全体の2割もない。ほとんどが現地の人との交流や調査中に雇った人間の話、愚痴etc 当時日本人で本書にでてくる地域に行った人も先ずいない中で現地人と自ら交渉してなんやかんや上手くいくのはさすが日本の霊長類学を引っ張ってきた人の胆力は違うなと思わされる。2024/10/14