出版社内容情報
数学は試験のためにだけ必要なもの,卒業と同時にさっぱり忘れてしまうものではなかったか.しかし今日数学はあらゆる分野に活用されている.現代社会に活動するすべての日本人に必要な数学の知識を,日常生活の論理に定着させて分りやすく説き,会社経営や商品販売は勿論,家庭生活にも豊富な知恵とアイディアを提供する.
内容説明
数学は試験のためにだけ必要なもの、卒業と同時にさっぱり忘れてしまうものではなかったか。しかし今日数学はあらゆる分野に活用されている。現代社会に活動するすべての日本人に必要な数学の知識を、日常生活の論理に定着させて分りやすく説き、会社経営や商品販売は勿論、家庭生活にも豊富な知恵とアイディアを提供する。
目次
1 数の幼年期
2 分離量と連続量
3 数の反意語
4 代数―ずるい算数
5 図形の科学
6 円の世界
7 複素数―最後の楽章
著者等紹介
遠山啓[トオヤマヒラク]
1909年‐1979年。1938年東北大学理学部卒業。専攻は代数学
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
中学の時に出版された当時としては斬新な数学のサイドリーダーでした。普通の数学の教科書や参考書に飽き足らなくなっていたので飛びつきました。遠山方式というのがその後算数や数学の教育方式ではやったと思いますが、そのはしりのような体裁の本です。いまも古びてはいない気がします。練習問題はないので電車などでも読めると思われます。2016/01/14
kaizen@名古屋de朝活読書会
103
わかりやすい言葉で、わかりやすい内容で数学を説明している。 しかし、数学が嫌いな人が、この本を読んで好きになる確率は大きくはないことが予測できる。 数学好きの人が、自分の知識の偏りがあるところを補うのには役立つ内容である。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2013/06/27
saga
64
【再読】矢野健太郎氏とは違った語り口だが、ヒトが数という概念を持ってからの、数学の発展から書き起こされている本書。結文学的な言い回しが多い気がした。著者は東北帝国大学理学部卒で代数学が専門。上巻は自然数から有理数、無理数の概念と続き、最後は虚数を含む複素数へと展開する。少なくとも高校数学程度の基礎は必要で、それでも時々計算式を目で読んだだけでは理解できないような箇所もあった。数学者には自明の理でも、x=3√-2+2i + 3√-2-2i =(1+i)+(1-i)は飛躍が凄すぎる(;'∀') ※3√は3乗根2021/06/15
原玉幸子
31
ガキの頃に、長方形の面積をただ単純に「縦✕横」と覚えていたのが、実は「1㎠が何個あるか」と気付いた時の衝撃は相当なモノでしたし、高校生で微分積分の意味や、その後に知った「三角関数は単位円の座標で理解する」こと等で、知的欲求の充足に感激しました。本書でも、幾何の代数での置き換えに感心し「代入する発見が数学」との予感はあるのですが、今一つ数学はどういう学問か確信が持てません。歴史的人物のエピソードが面白く、じみ~に笑う個所もありますが、未だ「数学とは何ぞや」には近付けず。(下)に期待。(◎2022年・冬)2023/01/06
nbhd
22
「当たり前とされていること」の「当たり前たる所以」にふれたときにうまれる快感がたまらない。たとえば、この本では「数」の章と「幾何」の章がきっちり分けられていて、幾何に至ってはほぼ数字が出て来ない。そんなの当たり前じゃんと思うけど、これは、古代ギリシャの幾何学では角度や長さの数値は問題にされてなくて、図形問題はすなわち「論証」だったという歴史に基づいているわけで、こんな”当たり前の再発見”が新鮮。おなじみピタゴラスの定理なんかは、実はギリシャ世界で数と幾何が奇跡的にドッキングした夢のランデブーなんですよね。2016/02/13